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KANON 終わらない悪夢
52委員長会議
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々に他の女を自殺させていれば可能だったかも知れないが、あゆの復活も法則のシステムによって妨害されてしまう。
 純血の妖狐が「イヤダ」と願ったので、あゆの身体は死なないが、この世の法則で死が確定して冥界に行くべき人物の命や霊体までは復活させられない。
 あゆは同じ法則によって、生きることも死ぬことも許されない人物として現世を彷徨わされている。
『その上、この世の法則で死が決定している人物を蘇らせるのも許されていません。もし生き返ったとしても、何かに命令されるように自殺を繰り返し、完全なはずの身体も崩れ落ちます。反刻の世が訪れて七年の時が巻き戻って再会できたとしても、普通の人間である月宮あゆさんは、その世界で生きて行くことすらできません』

(うああああああっ! あああああああああああああああっ!)
 今までのトライアンドエラーで、あゆの死だけは覆せず、どんな儀式でも、如何なる犠牲を払ったとしても、この世の法則に死の日時が定められてしまって、その事実がアカシックレコードのような星の記憶に書き込まれてしまった以上、書き換えが不可能なのを思い知らされていた天使の人形。
 委員長の指摘でそれが間違いないのだと教えられ、天孫降臨というイベントですら現実を書き換えられないのだと知って泣いた。
『他にもエネルギー量の不足、マイナスの感情が強すぎて、元の人格を保てなくなるなど色々な問題はありますが、「今回も」あゆさんの復活は出来ません。やり方を根本的に変える必要があります。例えば、あゆさんが生きていない状態にして、ただの人形に魂を定着させる』
(それはもうやったよっ、自由に動ける人形、動かない人形、色々やっても、もう死んでる人は生き返らないっ! 純血の妖狐との子として生き返らせてもっ、召喚で誰かと魂を載せ替えてもっ、その存在はもうあゆちゃんじゃないんだっ!)
 もう妖狐関係者どころか舞ですら話に付いてきておらず、秋子も天使の人形の過去や記憶には干渉できないので知り得る方法がなかった。
 普通人であった祐一は、七年前の事実を遡って書き換える方法がなく、力に目覚めた時空が突き当たりになって、それ以上の過去へは通行不能になっていた。
 そして誰かと魂や記憶を入れ替えると、別人になってしまって魂その物が失われる。重複登録を許さないシステムによって、携帯電話のコピーよりも厳重に、悪魔との取引をしてしまった人物を消して登録不能処置にし、転生して蘇ることすら許されなくなる。
『では七年前より過去に戻れる人物、秋子さん、川澄さんではどうかしら?』
(秋子さんと真琴は破滅の力しか持っていないよ、名雪は記憶を消す力、舞は半分人間だから未来と話せても過去には戻れない)
『じゃあ、ものみの丘から別の妖狐を呼ぶ』
(それもやったよ、あの場所には歴史を書き換えたり、死者を
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