ガンダムW
1712話
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意していてもおかしくはないだろ。……ただ、問題はその私兵集団が具体的にどれ位の実力かって事なんだが……」
呟き、缶紅茶を飲む。
俺が紅茶派だと知ってなのか、このHLVの客室には缶紅茶が入っていた。
ペットボトルの紅茶もあったのだが、今日は何となく缶の方を選んだ。
「それで、あたし達はこれからどうするの? 一旦宇宙に?」
俺の隣で、こちらも缶の紅茶を飲んでいた綾子が聞いてくるが、俺はそれに対して首を横に振る。
「現在、凛が連合軍と折衝中だ。連合軍としては、出来れば俺達にはまだ暫くの間いて欲しいらしいが……」
「凛が反対してるの?」
「ああ。もっとも、心の底から反対してる訳じゃなくて、単純に連合軍を焦らしてより多くの報酬を得ようとしているというのが大きいんだと思うが」
「……何だって、連合軍はあたし達をまだ雇っておきたいの? もう財団派は消滅したんだし、残ってるのはそれこそ私兵集団くらいだろ? なら、あたし達がいなくても問題はないと思うんだけど」
綾子の言葉に、デュオと五飛もそれぞれ頷く。
ロームフェラ財団の主力と呼ぶべき財団派が消滅してしまった以上、シャドウミラーの存在は別に必須という訳ではない。
それは分かっているのだが、それでも連合軍が俺達を手放したくない理由は……
「トレーズ派だろうな」
『トレーズ派?』
ここにいる、俺以外全員の声が重なる。
まぁ、疑問に思う気持ちは分からないでもない。
宇宙においては、トレーズ派というのはもう消滅している。
その宇宙にいたトレーズ派が地球にいるトレーズ派と合流したとしても、戦力的にはそう大した事はないだろう。
こう言うのもなんだが、純粋な戦力という意味ではトレーズ派よりもMDを使える財団派の方が上だったのだから。
元々トレーズ派と財団派では、トレーズ派の方が少数だ。
それだけに、トレーズ派の戦力は侮ることは出来ないまでも、厳しい相手という程でもない。
……ぶっちゃけ、今の連合軍は財団派の上位互換と言ってもいいような構成になっている。
まぁ、水中用MSのキャンサーやパイシーズをMDとして使う事が出来ないという点では財団派の方が技術力は上だが。
それでも、トレーズ派の人数が少ない以上、正面から戦えば間違いなく連合軍が勝つ。
そんな状況で、こうして俺達をまだ地上に留めておくのは……
「トレーズとゼクス。この2人が理由だろうな」
そう、連合軍がこの2人を恐れているというのが大きい。
トレーズは、言うまでもない。
そもそも、連合軍の上層部は以前のOZ……いや、スペシャルズ時代のトレーズを知っている者が多い。
そしてスペシャルズがどれだけの成果を上げてきたのか……それを間近で見てきたのだ。
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