225部分:第二十話 公孫賛、気付かれないのことその一
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第二十話 公孫賛、気付かれないのことその一
第二十話 公孫賛、気付かれないのこと
劉備達は幽州に入った。するとだ。
幽州には次第に物資が集まりだしてきていた。そして人も賑やかに動き回っている。一行が入った街中はそんな状況であった。
「戦が近いですね」
「そうだな」
関羽は孔明の言葉に頷いた。
「間違いなくな」
「はい、大きな戦いになりますね」
「それで烏丸の軍勢は今何処にいるのだろうな」
趙雲も慌しく動き回る人々を見ながら言った。
「それが問題だが」
「あいつ等全員馬に乗るから動きが速いからな」
馬超はこのことを言う。街中は食糧を運び込む者や槍や弓を持っていく者でごったがえしていた。そうしたものを見ながら話すのだった。
「だから。何処にいるのか調べるのは難しいぜ」
「そうなのだ。あの連中はとにかく動きが速いのだ」
張飛もそれを困った顔になって言う。
「それで何とかしないといけないのだ」
「そうなんだよね。匈奴といい烏丸といいね」
馬岱と溜息と共に話す。
「鬱陶しいったらありゃしないわよ」
「しかし今北で残っているのは烏丸だけだ」
関羽はこのことを話す。
「それならここで頑張るべきだな」
「そうね。さもないと困るのは民だから」
黄忠はまず彼等のことを考えて強い目になる。
「だから余計に」
「さて、それじゃあまずは宿なのだ」
ここで張飛が言った。
「それを決めるのだ」
「そうですね。何処がいいですかね」
孔明も周囲を見回しながら述べる。
「幽州は寒いですしあったかい場所がいいですけれど」
「おい、桃香じゃないのか?」
ふと一部には懐かしい声がやって来た。
「そこにいるのは桃香じゃないのか?」
「あの、真名を呼ぶのは」
流石にそれは劉備も少しむっとなった。
「失礼ですよ、それは」
「私ならいいだろう?」
しかし声の主はこう言うのだった。
「それは。私と御前の仲じゃないか」
「あっ、この声は」
最初に気付いたのはナコルルだった。
「確か」
「知ってるの?」
「お知り合いですか?」
「はい、そうです」
ナコルルは舞と香澄の言葉にも答えた。
「以前この幽州で聞きました」
「ってことは」
「関羽さん達ともお知り合いですね」
「そう思います。ただ」
「ただ?」
今度はキングがナコルルに問うた。
「どうしたんだい?」
「お名前がどうしても思い出せなくて」
ナコルルが思い出せるのはここまでだった。そうして困った顔になっていると。
あの彼女が来た。そして劉備のところまで笑顔で駆けてきたのだ。
「久し振りじゃないか、こっちに来ていたのか」
「あっ、白々ちゃん」
「白蓮だ」
それは
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