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ボカロ?ロマンス
第1話 生徒会室にて
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目がいつにも増して気怠げになっちゃいましたもん。ミクの方が物覚えがよくて、途中から色々助けてくれたおかげですね」

「ミクちゃんはアンドロイドなんでしょ?なら、並みの人より頭良さそうだけど」

「会長には何度も説明した気がするんですが、ミクも基本は人間から作られてますし会長の想像するほどロボロボしくないんですよ…だからそんなスパコン並みに計算が早いとかはないんですよ」

「でも、入試の成績は1番なんでしょ?」

「まぁ、そうですけど…」

突然ではあるが、我が家に共に住んでいる2人の同居人の話をしよう。
南風原伽耶、彼女は俺の義妹である。俺の両親は研究室の事故で亡くなっており、当時まだ幼かった俺を引き取ってくれたのが南風原夫妻だった。当初はそれなりに可愛がってもらっていたのだが、途中から虐待まがいの扱いを受けるようになったので、あまり感謝はしてないが。
まぁ、自分の子供が一度出来て仕舞えば養子なんかよりそちらに愛情が傾くのは当然であるが、当時の俺にはそれが理解出来ず、そのせいで一時的に仲の悪かった時期もある…が、基本的には伽耶は兄思いでいい奴であり、今は仲良く過ごしている。
一方、ミクとは両親が研究室で様々な実験と苦労を重ね作り上げた初期の人間型アンドロイドの試作機であった。アンドロイドと言っても人間と同じ機能を持ち、人間と同じように感情も存在しているので、本物の人間と大して変わらない。というか、1ヶ月に一度はメンテナンスが必要である点以外は殆ど人間と変わらないのである。

「それにしても羨ましい限りだねぇ…あんな美少女2人と寝食をともに出来るなんて…」

「会長、言ってることが親父くさいです」

「ひどぉい」

「それに、貴方だって俺の家によく遊びに来るじゃないっすか」

「だって隣なんだもん」

「だってじゃないですよ。人の家を溜まり場にしないでください」

「溜まり場になんてしてないもーん」

「はぁ…」

思えば俺は会長には振り回されてばかりであった。そしてお世話になってばかりだった。
家も近いことから昔から幼馴染ではあったのだが、俺が南風原家に引き取られたこともあって一時期離れ離れになったこともあった。その時に俺は色々と辛い経験をしたため、今でも人間不信から抜け出せないでいるのだが、それでも当時よりマシなのはひとえに会長が色々と振り回してくれたおかげである。(例えば、無理やり生徒会役員に指名するとか)
高校に入って、実家に俺が一人暮らしをするようになってから、昔のように「たーくん」なんて呼んでくれたときは、めちゃくちゃ恥ずかしかったがとても嬉しかったことはよく覚えている。

「…っと、もうこんな時間か。仕事もひと段落ついたし、そろそろ帰ろっか」

「うっす」
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