第46話 大切な誰かの為にできる小さな気持ち
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彼女の本音が明かされて、希も加わり、ようやく彼女は……彼女達はスタート地点に立つことができた。
ここからが本番。
μ`sの快進撃の始まりだ。俺が模試試験を受けている中、音ノ木坂のオープンキャンパスを催され、見事人気を勝ち取ることに成功。
休日をはさんで月曜日。
…あんなにも躍起になって存続存続と駆け巡っていた目標が達成された。正しくは、廃校延期とのこと。それだけで頑張ってきた苦労が労われたような気がしていた。
まだ気を緩められないのは確かだけど、それでもスクールアイドル活動の手ごたえを充分にそれぞれかみしめていた。
〜☆〜
「んぁぁ!やっぱりバーベキューの準備を一人でこなそうとするのは無理があったんじゃないのか?」
木炭やら器具やら、とりあえずバーベキューに使うであろうモノすべての準備を終え、最後の椅子をセットしながら大げさに叫ぶ。
女の子が持つにはかなり重たいものばかりであるが、それがイコール俺一人に準備させるという結論に至るのはおかしいと思う。
「まぁ……そういう役割だしな。まさか代わりに俺が出るわけにもいかんだろう」
そんな姿をして踊ったり歌ったりしている自分の姿を想像して身震いをする。
かくして俺は、こうして雑用や彼女たちの体調管理をしているわけだが、一歩間違えれば俺が舞台に立つ───という未来もあったのだろうか?
「いやいや無いない。そんなのあってたまるか」
だいたいスクールアイドルは全国でまだ女子高生だけだ。それにラブライブ!規約にも『男子高校生の出場は不可とする』と明文化されているのだ。女尊男卑とはこのことかもしれないが、それはそれで助かるのだ。
もしかすると、そう遠くない未来で男子高校生によるスクールアイドル活動というものも出てくるのかもしれない。
「あー、腰いったぁ……。こんなんなるなら筋トレくらいしておくべきだったかなぁ」
ダンスを辞めて早二年。体力の衰えを感じる瞬間だった。
さっき置いた椅子に腰を下ろしてつかの間の休息をとる。緑の風景を通して思い浮かべるのは、数か月前の夏合宿。
事の発端は、勉強してたところを呼び出されてそのまま説教。合宿行くからついてこいと穂乃果から言われたことが始まりだった。女の子ばかりの合宿と、成績が思うように伸びないという悩みで最初の方こそ拒否したものの、なんやかんやで結局は折れることになった。
今となっては、行ってよかったと思えるし、いい人生経験にもなった。
そして、因縁の彼らと接触することにもなった。
───西井新治と照澤|愁季《しゅんき
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