第46話 大切な誰かの為にできる小さな気持ち
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ドル研究部創立者の三年生も穂乃果たちを信じて加わり、ようやくアイドルらしさを出してきたそんな頃。
またしてもμ'sに三つの出来事が訪れる。
一つは、ラブライブ!の開催。
一つは、テストで赤点取った場合ラブライブ!参加を認めない。
一つは、音ノ木坂の存続が来月頭のオープンキャンパスにかかっていること。
目まぐるしい出来事の移り変わりに、俺達はただ必死だった。『なんとかしなきゃ』という気持ちが、ラブライブ!参加に向けたテスト勉強も、オープンキャンパスに向けた練習も俺達の心を、足を、手を、本能を、ただ前に動かしていた。
一番テストが危ういとされる穂乃果と凛、にこ。
メンバーの指導を受けながら全員抜けきる事が出来、そのまますぐやってきた音ノ木坂存続事案。
そんな時に出会ったのは絵里と、妹の絢瀬亜里沙
───努力したからって結果が伴わなければ意味が無いの。
知ってる、あぁ、知ってるさ。
過程なんざどうでもいい。世の中を勝ち抜くためには結果はが全てだということを。誰も過程は興味ないし期待していない。結果がなければ全てゼロ、終わり。
それを知っている者が強者、それを知らないのが弱者。
絵里の言っていることは本当に現実的で客観的だった。
もう後がないのに呑気に和気あいあいとして、いざその日が近くなると急に態度を変えて必死になっているように、彼女には見えたのだろう。
......でも、俺は受け入れられない。
穂乃果達が何の為にアイドルを始めたのか知っている。もちろん音ノ木坂の存続のために、という気持ちもあった。だけど、そのギリギリのラインの中でも高校生活を楽しみたいという、いち生徒の気持ちを誰が踏みにじることが出来るだろうか。
どんな気持ちで、どんな事をしてきたのか知っている俺だからこそ、ここは譲れなかった。
勿論、感情論で訴えているのも重々承知済みだ。
でも......絵里の気持ちもなんとなくは理解していた。
───絵里は昔の俺なんだ。
結果に縛られる息苦しい人生。
高校一年の時、結果に縛られていた時の俺。だから、自分の鏡写しをしている気分だったんだ。
だから俺は、『楽しむ』を自分の体験談を彼女に話した。
どこまで気づいたか、当の本人にしかわからない。けども、彼女はそれを機に変わっていったのは確か。
μ'sのコーチとなって、はたまた悩みながらも、自分の本心をさらけ出してμ'sに加入してくれたことは本当に嬉しかった。
あの時抱きしめた、絵里の柔らかさは誰にも語ることは無い。墓場まで持っていくつもりだ。
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