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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第46話 大切な誰かの為にできる小さな気持ち
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菜を変色しないように蓋をして冷蔵庫にしまう。


「5時か……バーベキューのセットだけしておくか」



 早く終えたからといって休んでいる暇はない。
俺はすぐさま次の準備に取り掛かる。








〜第46話 大切な誰かの為にできる小さな気持ち 〜









 それは4月の始業式。
高校生にとって二度目の春で、二度目の始業式はちょっと特別な瞬間だった。



 母さんから渡されたのは一通の茶封筒。そんなちっぽけな茶封筒が、俺の一年を変えることになったきっかけ。音ノ木坂学院、女子高、廃校、共学化……。
 そんな事を急に言われても「女子高に転校する」なんて首を縦に振れるわけがない。だけど、母さんの策略、南理事長という友人の為になにかしてあげたい、きっと俺の人生を変えるきっかけになるかもしれない。そんなことを言われて渋々受け入れるしかなかった。丁度今の高校から離れたいと思っていたし、それも兼ねていい機会だったのかもしれない。


そう言い聞かせて、俺は音ノ木坂の門をくぐったのだ。



 今となっては、音ノ木坂(ここ)での生活も慣れてきたし、色々気を付けなけれなばならないこともあるけれど、悪くないと思っている。だけど当時の俺は早く廃校阻止して戻ってあの子(・・・)に何も言わずにごめん、と謝らなければならない気持ちしかなかった。

 

高坂穂乃果と出会った。

園田海未と出会った。

南ことりと出会った。




―――スクールアイドルをやろう!




 この時の穂乃果は羨望の眼差しで、雑誌に掲載された数多のスクールアイドルを眺めていた。
なんでまた彼女はスクールアイドルになろうとしたのか。海未から思い付きだからダメだと言われても、それでも穂乃果はキラキラしてて楽しそう、可愛い衣装を着てみんなの前で歌いたいと自分の意志を貫き続けた。


 
 彼女らはスクールアイドルを始めるからサポートしてほしいとお願いしてきた。
もしかすると、彼女らの活動で救えるかもしれないという安易な理由で俺は彼女達を当時は利用していた(・・・・・・)。否定はしない。彼女らと関わるのは音ノ木坂を救うまでだと思っていたから。

 でも、俺の返事を聞くまでもなく、申請書に名前を書かれて、気が付いた時には当時の生徒会長である絢瀬絵里に喧嘩をふっかけていた。どうしてそうなったのか、状況や放った言葉は今では覚えていない。

 でも、あの時の……穂乃果が申請書を突き返されたときの表情や、ことりの涙目、海未の悔しそうに唇を噛む姿を思い出すと、どうしても『彼女たちは何も間違っていない』と言葉が勝手に出ていたのだ。




―――俺は……あなた
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