スペクタクル・クライシス
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
静さを取り戻し気合を入れ直したような厳かな口調。そして目を見開き、メタグロスの体をメガシンカの光が包み始める。
「昨日僕と君が二人で使った力……今僕だけの技として昇華する!……パラレルライン、オーバーリミット! テトラシンクロ、レベルマックス! メガシンカよ、電脳の限界を解き放ち究極の合体で勝利をつかみ取れ!!」
メタグロスの体が輝き、フロンティアの中央からメタングとダンバルが飛来する。それは眩しい光と共に――ガルーラ親子の体を包む鋼の武装となって変形し、まるでガルーラがドサイドンのように大きくなった。子供もお腹の中に隠れ、更にそれを鋼が覆って鉄壁の守りを形成している。
「メタグロスと他のポケモンの合体……もう、自分だけで使えるようになったなんて」
「昨日君たちが仲良くおしゃべりしている間に、特訓したんだ……成功したのはガルーラとだけだったけど、今この状況なら十分。『ブレイククロー』!」
「速い……! キュキュ『火炎放射』!」
メタグロスの電磁力を使い、重たそうな体からは想像も出来ない速さで突撃して腕を振るうガルーラにキュウコンが炎を放つ、しかし鋼で覆われた腕は炎をマッチ棒でも払うようにものともせずキュウコンの体を掴み、地面に叩きつける。追撃の『のしかかり』を受けキュウコンは何も出来ず倒されてしまった。
「キュキュをこんなにあっさり倒すなんて……!」
「次はジュペッタだ! 『シャドークロー』!」
メガシンカしたメタグロスの特性は『硬いツメ』。よって鋭い一撃を重視しているのだろう。今度は黒く染まったゴーストタイプに有効な爪をジュペッタに向ける。やはりスピードは速く、まるで大型の車が襲ってくるようだった。
「ッ、でもペタペタから攻撃したのは失敗よ!ペタペタ『怨念』!!」
「!!」
ジュペッタは無抵抗に切り裂かれ、ただのぬいぐるみのように地面に落ちる。しかし人形の身体から噴き出た怨念ガルーラに襲い掛かる。ガルーラとメタグロスから、技を使う力を奪われその体が機能停止したようにうずくまる。
「シンボルハンターさんと同じ『怨念』の効果! ペタペタを倒した相手の技を全て使えなくするわ! これでガルーラもメタグロスももう技は使えない……」
どんな強力なポケモンでも全ての技を封じてしまえばもう『わるあがき』しか出来ない。ジュペッタを犠牲につかみかかった勝利にジェムは安堵しそうになった瞬間――凄まじい悪寒がした。
「ラティ、逃げて!!」
「ひゅうあん!!」
ラティアスが咄嗟に身をかわす。すると真下を紅いコアのような物が中心にある鉄球が掠めた。メタグロスの体を構成するダンバルが変形したものだった。それは遠くの壁に当たると爆発し、庭園の一部を破壊する。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ