スペクタクル・クライシス
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とを後悔しなよ!『シャドーボール』『サイコキネシス』!!」
「……来る!!」
ゲンガーとサーナイトの頭上にはそれぞれ、膨れ上がった濃紫色に淀んだ怨みの力と光り輝く清めあげられた聖なる力が溢れている。それらは球体の形を取ると、同時に放たれた。
「ルリ、思いっきり力を溜めて!クー、『バトンタッチ』!」
今までの一撃の倍以上に膨れ上がった怨念と思念の塊がマリルリ達に迫る。対してマリルリは両方の小さな拳をぐっと握り、クチートは黒い大顎の方ではない本物の口でマリルリの耳にキスをした。普段なら微笑ましくも見えるそれにどんな力が込められているかを理解し、アルカが呟く。
「クチートのあれは『蓄える』……エネルギーを蓄え纏った防御力をマリルリに移しているというのですか」
「力を溜めていたのはジェム側も同じだったようだが、それだけでは奴らの攻撃を防ぎきれんぞ。どうするつもりだジェム?」
ドラコは期待を込めて膨大なエネルギーを迎え討とうとするマリルリを見る。クチートは上げた能力を全てマリルリに注いでいるから、マリルリがなんとか出来なければ二体そろって瀕死になるのは確実だ。
「大丈夫よルリ。クーが守ってくれるし、私はあなたの力を信じてる……他のどんなポケモンよりも力を溜めて戦うのが得意なあなたを!『腹太鼓』からのジャンケン……『グー』!!」
「りるうううううう!!」
攻撃力マリルリが二つの塊を同時に拳で殴りつける。炸裂する間もなく一瞬にして凍り付いた二つの塊はそのままゲンガーとサーナイトへ跳ね返る。メガシンカの力さえを包み込んだ氷の鉄拳となって二体を襲う。ダイバは鋭く指示を出した。
「『サイコキネシス』ではじき返せ……!」
防がれる可能性は考慮していてもそのまま帰ってくるなど予想していなかったサーナイトとゲンガーの反応は遅れ、念力で逸らそうとするがマリルリの力をすべて込めた一撃は重く速く。何よりも力が籠っていた。一切ぶれることなく直撃した氷の拳に吹き飛ばされ、同時に倒れる。マリルリも、クチートに守られていたとはいえ『腹太鼓』の力を限界まで使った反動で倒れる。
「くっ……マリルリ相手に僕の二体が……」
「ルリだけじゃないわ。クーがルリを信じて守ってくれたから……」
「そんな単純なことじゃない!!」
苛立ちを込めて呟いたダイバにジェムが答えると、彼は拒絶するように腕を振り、声を上げる。
「僕のポケモン達はパパとママが強いポケモンを選りすぐって、個体まで厳選して渡したんだ……まともなポケモンバトルなら世界中で一番強いポケモン達を持ってる僕が負けたら……パパもママも幻滅する。そんなのは嫌だ。だから、絶対に負けるわけにはいかないんだ!」
「そんなこと……
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