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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
222部分:第十九話 劉備、張三姉妹を見るのことその八

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第十九話 劉備、張三姉妹を見るのことその八

「何はともあれ北に行きましょう」
「そうだね。それじゃあね」
「今から」
 皆そんな話をしながら北に向かうのだった。
 彼女達が幽州に向かったその時にだ。三姉妹は難しい顔で宿にいた。そうして黄色い服を脱いで普段着になって話をしていた。
「あの時は無事に収まったけれど」
「そうよね」
「一歩間違えてたら」
 こう話すのだった。
「大騒ぎになってたし」
「今度あんなことになったらどうしよう」
「まずいけれど」
 三姉妹が不安に思っているとだ。そこにバイスとマチュアが来て言う。
「その心配には及ばないわよ」
「安心して」
 こう三人に言うのである。
「対策はあるから」
「だからね」
「対策?」
 それを聞いた張梁が眼鏡の奥の目を向けた。
「何、それは」
「舞台を護る人を雇えばいいのよ」
「それでいいわよ」
 こう話すのだった。
「それでね」
「充分だと思うわ」
「雇うの?お金大丈夫なの?」
 張宝は自分のことは一旦棚にあげてその心配をした。
「雇うってなると」
「今なら大丈夫よ」
「それはね」 
 バイスとマチュアはまた話す。
「お金は今はたっぷりあるし」
「それ位何とでもなるわよ」
「そうなの」
 それを聞いて最初に声をあげたのは張角だった。
「お金の心配はいらないの」
「所謂親衛隊ね」
「それを作ればいいのよ」
 バイスとマチュアは彼女達の時代の言葉も出した。
「それでどうかしら」
「すぐにでも集めるけれど」
「そうね。それだったら」
「いいんじゃない?」
 張梁と張宝がまず頷いた。
「今度あんな騒ぎが起こったら大変だから」
「それだったらね」
「そうよね、皆仲良くしないといけないし」 
 張角はこのことを心から願っていた。
「それならね」
「それじゃあ話は決まりね」
「そういうことね」
 バイスとマチュアはここまで話を聞いて満足した微笑みになった。
「それじゃあ早速」
「人を集めるわよ」
「何かどんどん凄いことになってるね」
 張角はこのことを実感していた。それを言葉にも出した。
「私達も」
「ついこの前までしがない旅芸人だったのにね」
「そうね。それが今や」
 張宝と張梁もそのことを実感していた。
「親衛隊とかなんて」
「想像以上よ」
「それが貴女達の実力よ」
「そういうことよ」
 バイスとマチュアは今度は二人を持ち上げてみせた。
「実力だからね」
「それに見合ったものなのよ」
「そう、だったらいいわ」
「そうよね、実力ならね」
「それでいいけれど」
 三人はまずはそれは素直に喜んだ。

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