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木場きゅんに憑依した俺は皆に勘違いされながらも生きていく
イザイヤの宿命
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イザイヤと出会い今に至る。
今回も裏切ったふりをしたのは最初から作戦だった。
教会を囲んでいる塀は天使達が作った物で、破壊でもされればすぐに天使達が気づいてしまう。しかし、出るにはその塀を壊さねば出れない。なので違和感のないよう自然に壊すしかない。
バルパーの計算ではイザイヤの作った『魔帝剣グラム』で壊せる。だが逃げるために壊すと気づかれ天使達と戦闘になる。もし戦闘になればたちまち殺される。
だからこそバルパーは内側から騙し、イザイヤは外側から騙した。
結果は大成功してイザイヤ以外全員逃げられた。
「それでは始めましょうか...僕の喧嘩を」
「違うな私達の喧嘩だよ」
「来るがいい人間!騙した罪高くつくぞ!!」
バルパーは片腕を失った下級天使と、周りに比べ1回りほどいい体格をした下級天使を相手にする。
イザイヤは残った3人を相手にする。
天使達は基本空を飛んでいるので攻撃を届かせるために、雲にまで届くほどの剣を地面から生えされる。
流石の天使もそれに驚くが別に避けられない速度では無いので、余裕で躱すと剣に視線を移したためイザイヤの姿が消える。
「どこだ!」
「どこにいる...」
「......まさか上か!」
中級天使は全員の視線が下に向いていることに気づき、咄嗟に視線を上にあげると上空から雲すら隠す量の魔剣が降り注ぐ。
他の天使達も上に気づいたが、気づくのが遅く中級天使以外の天使は身体中に突き刺さりながら、地面へと落下していく。
降り注ぐ剣はある一定の場所だけで、そこから逃げるために全力で飛んだので、かなりの疲労が体を襲う。
1度その疲労を回復させるために地面に足をつくと、足を拘束するように魔剣が挟み合い、ピクリとも動かなくなる。
「これで終わりです」
「まさか人間がここまでやるとはね」
「ならあなたに聞きます。この事を決めたのは誰ですか」
「決めた......ミカエル様だかしら。もう十分だろさっさと殺してくれない?」
「そうですね」
「終わりよね
貴方達人間が」
「がハッ」
トドメを刺そうと振り上げると、突然身体の奥底から血がこみ上げ吐血をする。
何事だと腹部を見るとそこには光の槍2本突き刺さっている。
その光の槍を持っているのは魔剣で押しつぶして倒したと思っていた天使2人だった。
油断したな...ミスった。
「ぶふァ」
「イザイヤ!!」
倒れるイザイヤを支えようと駆け寄ろうとするが、2体の天使が前に出て妨害する。
静かに眠るように瞳を閉じて思う。
最悪だな...最後の最後でこれかよ...
───諦めるのか?
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