第十四話
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とかダメージを防ごうと海面に倒れ込む。そこに魚雷が当たる。しかし、
コツン
魚雷は爆発しなかった。そう、その魚雷は爆発しない偽物だ。
「……!?」
明らかに動揺しているリ級。そりゃそうだ。魚雷が爆発しなかった訳だし。
しかしまぁ、その隙を俺が見逃す筈もなく。
「さらにかかったぁ!」
俺はそのうつ伏せの状態のリ級にのしかかる。格闘技でいうところのマウントポジション(うつ伏せだけど。)だ。
「肉弾戦になったとき用に明石さんに偽物用意してもらったんだけど……まさかこんなにうまく行くとはな。」
「……!……!!」
なんとか抜け出そうとするリ級。だが、この完璧なマウントポジション(うつ伏せだけど。)をひっくり返すのは海にでも沈まないと無理だ。
「さぁてと……何発こいつを耐えられるかなぁ!?」
俺はそこからリ級の後頭部?に向かって一発砲撃した。
「グガァアアアa。」
リ級の悲鳴は、途中で掻き消された。
砲撃を頭に直撃してしまったリ級の頭は、跡形もなく吹っ飛ばされてしまっていた。そして、リ級の身体……いや、死体は海に沈んで行った。
「けっ、一発かよ。二度と浮かんでくるな。」
俺はそう吐き捨てて、他の奴らの状況を見た。
既に木曾はト級を沈めたらしく、摩耶さん達に合流していた。
「これで終わりです!」
そして、残っていた駆逐ニ級も神通さんの砲撃の直撃を食らい、そのまま沈んで行くニ級。
「うーし!敵艦隊壊滅成功!被害無しの完全勝利だ!」
木曾はそう叫んだ。
「ふー……。」
息を吐く俺。少しホッとした。
「お疲れさん。」
そんな俺に木曾は声を掛けた。
「初戦闘にしちゃあかなり上々の結果だ。一隻中破に一隻轟沈だろ?まぁ、ニセ物魚雷には流石に引いたけど。」
木曾はそう言いながら少し肩をすくめた。
「うるせぇよ。沈めるのなら何をしてでも沈めろって言ったのはそっちだぞ?」
「そーだったかなー?」
ソッポを向く木曾。
「えーと……今回のMVPは……やっぱり木曾さんっぽいなぁ。」
えーと、確かMVPは敵に与えた損害で決めるんだよな。ちなみに俺は中破一隻に轟沈一隻。
「木曾はどんくらい沈めたの?」
「軽巡一隻に雷巡二隻だ。」
「は?」
えっと、さっき俺が重巡リ級と戦っている間に三隻も沈めてたのかよ……。
「ま、当然の結果だ。騒ぐことの程でもない。」
と、クールに決める木曾。ちくしょう、カッケェと思っちまった。
「なんで重巡のアタシより火力出せんだよ……つーか一発一発が早すぎるわ。」
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