暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic33これからの八神家〜His case〜
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するが、「チッ・・・!」爪で手の平の皮膚を裂くほどに両拳を強く握りしめて、殺気に呑み込まれないように耐える。あぁ、ダメだ、改めて思い知った。今の俺にあの子を救うことは出来ない・・・。
「少々遊びが過ぎました。さぁ入りましょう、セインテスト調査官」
いつもの会議室のドアの前へと来た。先にリアンシェルトが開いたドアを潜り入室。遅れて俺も入室し、円卓のみが置かれた会議室を見る。普段はホログラム参加が目立つ会議だが、今回ばかりはさすがに全員生身で参加しているようだな。
(半数以上が空席になってしまったんだ、何か大きな話し合いでもあるのかも知れないな)
本局捜査部の分枝課である特別技能捜査課の課長であり、俺たち八神家とシャルの直属の上司であるクー・ガアプ一佐。戦技教導隊の1班班長であり、暗殺部隊1111航空武装隊の隊長でもあるロッキー・サブナック一佐。本局・支局・各地上本部すべての捜査部の最高長官であるビディ・アーリー大将。本局情報部の長官であるイレアナ・コスンツァーナ中将・・・の4人。
(それにエーアスト・ルター。フリーランス魔導師派遣会社、エモーションサービスカンパニーの社長)
この中で唯一にして最後の民間メンバー。金糸のようなブロンドのアシンメトリーヘアに金色の瞳、縦に白いストライプの入った黒のスーツ一式という社長然とした、身嗜みをしっかり整えた青年。プライソンの一件で、俺は改めて彼の身辺調査を行った。非合法の手段もいろいろ用いたが、結局粗を探し出すことは出来ず白と決めざるを得なかった。プライソンの事もあったし、エーアストも何かがありそうなんだよな・・・。
「お待たせしました。リアンシェルト・キオン・ヴァスィリーサ少将、およびルシリオン・セインテスト一尉です」
俺の分まで名乗ったリアンシェルトはそのまま部屋の中を進み、俺は「ルシリオン君、こっち」ガアプ一佐に手招きされたためにそちらへ向かう。そして彼女は右隣にある空席の肘掛けをポンポンと叩いた。
「ここに座りなさい」
「しかしここは・・・ホドリゲス元大将の席・・・。さらに言えば自分は円卓のメンバーではないのですが・・・」
空席は6脚。その席に座っていたのは、拳銃自殺として処理されたホドリゲス元大将とフォーカス元少将。ようやく目を覚ました騎士ゼストによって逮捕されたゲイズ元中将。そして議長デュランゴ、書記トレイル、評議員リョーガ――最高評議会。最高評議会の全員もまた死亡したことが管理世界中に発表された。
「セインテスト調査官。今日からそこが、あなたの席です」
「はい? というか、おま――リアンシェルト少将もどこに座って・・・!」
「どこに? 今日からここが、私の席ですから」
リアンシェルトが座ったのは議長デュランゴの席だった。
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