ガンダムW
1710話
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連合軍とOZ財団派の戦い。
純粋な戦力の数では、言うまでもなく連合軍の方が上だ。
有人機を操っているパイロットの技量という意味では……財団派の方が上かもしれないが、微妙なところだろう。
精鋭揃いと呼ぶに相応しい腕利きは、その多くがトレーズ派に所属しているのだから。
勿論アレックスの例を見ても、その辺が皆無とは言わない。
だが、それでもやはり全体的に見れば、トレーズ派の方に腕利きのパイロットは多く所属していた。
その上、トレーズ派はともかく、中東連合やサンクキングダムと良好な関係を築いている連合軍と違い、財団派は……正確にはその背後にいるロームフェラ財団は、全ての勢力に喧嘩を売った。
デルマイユの、王侯貴族としての集まりであるという自負から来た行為だったのかもしれないが、それは今回に限って言えば致命的と呼ぶのに相応しいミスだった。
トレーズ派はともかく、サンクキングダムや中東連合と協力態勢を取っていれば、もしかしたら援軍を期待出来たかもしれないのに。
ビームサーベルを使ってMDのトーラスを真っ二つに斬り裂きながら、そんな風に思う。
ロームフェラ財団であるというプライドがあるからこそ、他の勢力と結びつくという選択肢は存在しなかったのだろう。
自らのプライドの高さ故と言えば、それまでだろう。
だが……いや、だからこそ自らの言動がもたらした結果は、自らが引き受けなければならない。
簡単に言えば……
「自業自得って奴だし、な!」
シールドを突き出し、その先端でトーラスのコックピット部分を貫通する。
そのまま身動きが出来なくなったトーラスをそのままに、次の標的を探そうとし……
「っと!」
ウイングバインダーを使って素早くその場を跳び退る。
同時に、一瞬前までウイングゼロがいた場所をビームが通りすぎていく。
視線を背後に向けると、そこでは規則正しく隊列を整えたトーラスの姿が。
なるほど、トーラスがやられている間に、それを囮として他のMDは隊列を整えていたのか。
もし有人機がいれば、人を犠牲にするということで、隊列を組むMSのパイロットも逡巡を覚えただろう。
だが、今回の場合は囮となった方も、ましてや隊列を整えた方もMDだ。
それを指示している人物にとっては、撃破されても心が痛むという心配はしなくてもいい。
……その代わり、MDを破壊したという事で指示をしていたパイロットの査定とかに響きそうだが。
いや、そもそも財団派が今回の戦いで全滅に近い被害を受ける以上、その辺りの心配はしなくてもいいのか。
もし俺なら、それこそある程度MDの数を揃えてこの場から離脱するけどな。
傭兵をするなり、MDを売り払うなりと、この先を生き延びる手段は幾らでもあるのだから。
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