第17話『黒獅子と黒竜〜飽くなき輪廻の果てに』
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た。
――――ただ、シーグフリードを除いては。
「それで避けたつもりか!?獅子王!!」
エヴァドニの切っ先を捻り返し、対空迎撃の『銀閃殺法』の構えをとる!
しゃくりあげる昇刃術。波打つ刃が凱の顎の肉片をまき散らそうと、黒炎をまき散らす!
(こいつは……飛竜迎撃竜舞――『飛竜閃』!?)
眼下に広がる黒炎を前にして、最大の危機が迫る!!
◇◇◇◇◇
「ふん……挽肉になるのだけは避けたようだな」
――――誰かの声が聞こえる。
「おい。いつまで寝っ転がっていやがる?」
突如として凱の耳朶を叩く。
腹部に熱い痛みを抱えながら、凱は顔を見上げる。
「今のは……飛竜閃か……」
「違うな。煌竜閃―ただの『無式』だ」
銀閃殺法―
竜の顎を翔破するための竜舞。
そして、シーグフリードは『相手を確実に仕留める殺刃』を編み出した。
獣を、悪魔を、魔物を、竜を、そして――獅子を殺すために。
それが煌竜閃――煌炎の黒竜王の名を拝借した銀閃の閃き。
『必殺』ではなく『必滅』の信念と正義の下で――
無式というからには特定の型を持っておらず、対空、対地、対潜にも迎撃できる故に、おそらく無式と呼んでいるのだろう。
「大陸最強の生物――獅子王の強さは、俺たち『人ならざる者』なら、誰もが知っている」
人ならざる者――その『意味深き言葉』に、フィーネの瞳は見開いた。
トルバラン。
バーバ=ヤガー。
コシチェイ。
ヴォジャノーイ。
ドレカヴァク。
ヴァルバニル。
ジルニトラ。
数多の神々達は皆、勇者の王たる力を知っている。
だが、目の前のこの男は一体何なんだ?
あの時……代理契約戦争において、強さの次元を超えた力量はどこへ行った?
本当にこいつが伝説の獅子王なら、『同じ手を喰らう』愚は侵さないはずだ。なのに――
同じ手を喰らう理由は『恐怖』ではなく……あるとすればおそらく……『迷い』――
独立交易都市にて『市』の時から続く……決着をつけたところで、これでは興ざめもいいところだ。
「│虚影の幻姫≪ツェルヴィーデ≫の女狐め。でたらめを言いやがって――何が『眠れる獅子は目覚めた』だ」
影の戦姫に一言吐きつけておきたい。この男の強さは『見る影もない』ということを――。
ただ、僅かな交錯とは言え、両者の実力を感じ取り、銀髪鬼の強さに震える人物がいた。フィグネリアだ。
隼の衣装を着こなす彼女の出立は傭兵。自分の命を投資して、実力という資産を築き上げていった。
貧村の出自から始まり、数多の強さを何度も比較され続け
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