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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第17話『黒獅子と黒竜〜飽くなき輪廻の果てに』
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翼』ヴェルニー・空力弾性加速(フライヤー)

竜の『蹄』ヴィンダム・大気踏込圧搾(コンプレッサー)

竜の『息』メルティーオ・大気断熱圧縮(ミーティア)

竜の『角』コルティーオ・大気伝導放撃(レールガン) 

竜の『鱗』アウラ・威風霊的外套(レーダー)

竜の『髭』ソウラ・大気音圧反響(ダイバシティ)

竜の『尾』クサナギ・大気電離干渉(コヒーレント)

竜の『爪』レイ・アドモス……大気仮想真空(プラズマイオン)

そして――竜の『技』レイ・アドモス・アンリミテッド……宇宙真空崩壊(プロヴィデンス)

人は『力』を『知識』という形で『遺伝』をたどる。
このように知識体系化することで、次代の戦姫へ戦いの記憶を伝承することに成功したのである。
しかし、竜の技である『最終決戦竜技』の『摂理』を理解したものは、皮肉なことに、戦姫たる女性ではなく、男性であるヴィッサリオンだけであった。

そして、問題はこれだけに終わらなかった。
たとえ戦姫の『知識』と竜具の『力』が合わさったところで、自然現象を操る竜技に、戦姫の体力が追い付かない問題が浮上したのである。
独立交易都市出身であるヴィッサリオンの『竜舞』――そのうちの『銀閃殺法』――竜の姿を再現する迎撃技術という発想は、その問題に対する一つの回答といえるだろう。

戦姫……竜具という流星を見た姫君は、これを受け取った時に一体何を思ったのだろうか?
人は戦争を通じなくても、やがて長い『時間』をかけて、独自の文明と防衛力を築き上げていったはずだ。
ただ、戦争という手段が『時計の針』を速めたことだけは、覆ることのない事実である。
『人』と『魔』が織りなす『輪廻』の律動の果て――『作り変えられた』世界の地平線に、暁の曙光は差し込むのだろうか?










『黒獅子と黒竜〜終わらない輪廻の果て』








かすかなヒカリゴケが照らすほぼ虚無の空間。そこに一人の男と女が、獅子王凱の前に躍り出た。
正確には、『男でも女でもない、生殖器官を持たない人物』と――
明確には、『黒きドレスを纏った妙齢の貴婦人たる剣の悪魔』なのだが――
そのうちの女性……剣の悪魔たるエヴァドニが、厳かにつぶやいた。

――深夜(ねむり)を解け――

――常闇(やみ)をまとえ――

――終死(けつまつ)貴殿(シーグフリード)に――

――黒竜(かみ)を殺せ――

突如として生まれる、黒き炎の濁流。
地下室にも拘わらず、その勢いは天井を次々と砕き、満月が戦いの役者をのぞき込むように現れる。
黒と紫の炎熱の柱には、『一振りの神剣』 が収まっており、男……シーグフリード=ハウスマンの手に預けられる。
竜の眼光たるルヴーシュ
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