第17話『黒獅子と黒竜〜飽くなき輪廻の果てに』
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で描かれたたとは思えないほど繊細で精工な『描き込まれた肖像画』に、フィーネは目が釘付けになった。
――まるで、人が紙の中へ、まるごと閉じ込められたかのような――
塗料感、硬質感ともにある皮羊紙の手触りに、凱は肖像画の正体を確信した。
「フィーネ。これは肖像画じゃない」
「その通り。これは『写真』といい、特殊な羊紙に『光』と『影』を焼き付けたものだ」
青年の推測に、年老いた王はこくりとうなずいた。
ギャレオンのような凄みのあるフルセットの髭に、凱は思わず眉をひそめた。
「その男こそ、フェリックス=アーロン=テナルディエ――――まつろわぬ民の末裔だ」
「「ライトメリッツの……まつろわぬ民の末裔?」」
「単刀直入に言おう。シシオウ君。彼は今――――ブリューヌで暗躍している」
まるでオウム返しのように、凱とフィーネはヴィクトールの言葉をつぶやいた。
「ジスタート建国時代の真相を――今こそ話そう」
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あとがき――
るろうに剣心の色が濃すぎる今回の話――
今後の展開のためにと思っていただき、ご愛敬ということで解説を。
※1本来温度というのは、小さな粒子の速度を意味している。気温が高くなると粒子の動きも活発になる。
アリファールの納刀状態で『レイ・アドモス』を発動させると、「気温の出入り口をなくした大気」が瞬間連続で発生し、常温20°から一気に刀身温度100000000度へ上昇する。
それが、大気上の物質を分解(水から水素酸素)させる『煌炎の力学』となったり、大気上の物質を還元(水から氷)させる『凍漣の力学』になる。
ヴィッサリオンも銀閃の勇者だったとき、『竜技―クサナギ』を一度だけ使っていたが、『小さな粒同士をぶつける力学』の為、自然災害を引き起こすとして禁手にしている。
体感温度60度。
刀身温度100000000度。
一体どういう意味の表現なのか?
分かりやすい身近な例えをすると、プラズマ代表の蛍光灯は、内部は一万度の温度になった時と同じ速度で粒子は走っている。けれど、火傷するような熱さは感じない。粒子自体の数が少ないためである。(とはいえ、点灯中、直にさわるのは危険なのでやめましょう)アリファールの刃が食い込んだ時に、対象へ100000000°が瞬間的に熱伝導するため、理論上、地上で切れない物質はないとされる。
※3ソフィーの竜技『我が先を疾走よ輝く飛沫よ・ムーティラスフ』と同名の技。
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