出会う風と乗り越える壁
出会う風と乗り越える壁@
[前書き]
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横須賀鎮守府、日本の鎮守府の頂点に立つとも言われているこの鎮守府の司令室には、書類に目を通しながら難しい顔をする男とその隣に鎮座する眼鏡をかけた黒い長髪の少女がいた。
「提督、本当によろしかったのでしょうか?」
提督と呼びかけられた男は書類から目を離さずに、ため息交じりに「またか」と答える。
「以前も言ったが彼女の潜在能力は高い、その才能を潰すのはあまりにももったいない。大淀はそうは思わないかね?」
大淀、黒髪眼鏡の少女の名だろうか、彼女は提督の言っていることは理解していると前置きしたうえでさらに意見を述べる。
「確かに彼女は艤装とのシンクロ率、身体能力ともに平均を凌駕する素晴らしい逸材であることはわかっています。しかし彼女が抱える問題は・・・・・・その・・・・・・駆逐艦にとってあまりにも致命的すぎるのではないでしょうか」
「それはわかっている。だからこちらでの本格的な実戦投入の前に、実地訓練としてあの鎮守府への1年間の異動を命じたんだ。この1年で彼女が変わってくれれば、その時はここで活躍してもらう」
「変わらなかった場合は・・・・・・」
「残念だが、解体処分となるだろう。そうならないことを願っているがね」
そう答えると、提督は書類を机に置き席を立つ、その眼前には無限に広がる大海原が映っていた。
「頼んだぞ・・・・・・」
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