第八話 神殿にてその十二
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「どうして統一を進めて政治を行っていくか」
「そうしたことも考えていくべきか」
「それぞれの島の十二人と共にな、そして」
「それでだよな」
「統一をしてだ」
二つの島のそれぞれをというのだ。
「治めてだ」
「軍勢もまとめてか」
「魔神達を攻める必要もある、だがな」
「そこまでいくのに相当時間がかかりそうだな」
「かかる、しかしだ」
それでもだとだ、彼はまた言った。
「少しずつでもだ」
「やっていかないと駄目か」
「この世界を救いたいならな」
「そうなるか、まあ刀剣一本抜いてはい終わりとはな」
「いかないことはわかるな」
「世の中そんなに甘くないな」
達観した顔でだ、久志も言った。
「やっぱり」
「そういうことだ、ではだ」
「わかっていくか、この世界のことをもっと」
「政治としてもな」
「じゃあじっくここで読んでいくか」
「時間はかかるがな」
「かかろうともだ」
それでもとだ、英雄は久志に言い切った。
「まずは読んで話を聞くことだ」
「それで世界を知ってか」
「これからのことを考えていくことだ」
「そうか、じゃあ読んでいくか」
そうした書もとだ、久志も頷いてだった。
政治の書、それに地理や歴史の書も読んでいった。それで相当な時間をかけていったが何十冊も読んだ時にだった。
久志は疲れきった顔でだ、英雄に言った。
「おい、読んでいってな」
「鍛錬や食事の時間はそうしたな」
「そうだな、しかしな」
「それでもだな」
「一ヶ月は読みっぱなしだったぜ」
政治や歴史の書をとだ、久志は言うのだった。
「何冊読んだかわからない位にな、しかしな」
「それでもだな」
「まだ足りないよな」
「読んで聞いてもだ」
「百聞は一見に然ずっていうな」
「そうだ」
その通りだとだ、英雄は答えた。
「その通りだ、百聞でもだ」
「実際に見るのとは違うな」
「そういうことだ、まだ読むべき書はある」
「まだかよ」
「まだまだ読むものがある」
「そうなんだな」
「こうした苦労は後で生きる」
統一、それにというのだ。
「確かに一見には劣るがな」
「それでもか」
「学ぶべきだ」
「そういうことか」
「これからのことを考えるとな」
「やれやれだな、けれどな」
これからも読まないことを考えると暗鬱になるがだ、それでも久志にもわかっていた。それでこう答えたのだった。
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