『冷し』で暑さを乗り越えろ!・2
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がら聞いてきた。まだ訓練の1週目だってのに、気の早いこった。
「ん〜……海防艦の特性を考えると、鎮守府周りの警備班かな3人共」
海防艦はその名の通り、戦闘行為よりも護衛任務……船団護衛や対潜哨戒等の防御に向いた装備だ。しかしウチは船団護衛の役割を担っている連中は沢山いるから、自然と鎮守府周りの対潜哨戒が主な任務の班に配属、という事になりそうだった。
「ウチは他の鎮守府からのお客やら護衛船団の出入りが激しいからな、潜水艦は徹底的に潰さにゃいかん」
「え、そうなんですか?」
ブルネイを中心に考えれば、西に向かえばインド洋方面に抜けるし、南に向かえばラバウルやショートランドのある南方海域に抜ける。逆に本土に向かうにも通り道になっているモンだから、設備の整ったウチの鎮守府で最後の骨休めをしていく船団は多い。そんな時のネックはやはり、潜水艦だ。それだけ船舶や艦娘の出入りが多いと、敵さんもここに目をつけて配備しているらしく、潰しても潰しても潜水艦は湧いてきやがる。その為、毎日2交替から3交替でシフトを組んで潜水艦の掃討を行っているのが現状だ。対潜に特化した海防艦の着任は願ったり叶ったりの状況だった。
「そうよ〜?ウチの対潜掃討は大変なんだから!その分、稼ぎもいいけどね」
占守と国後の背後から、肩を組んで来たのはウチの対潜のエースである五十鈴だ。ウチの鎮守府だと五十鈴・夕張・那珂が対潜戦闘だと撃墜スコアのトップ争いをしている。
「ねぇ提督、この娘達対潜部隊配属なんでしょ?現場で鍛えるから早くくれない?」
五十鈴の言葉に目を輝かせている海防艦娘3人。辛そうには見えなかったが、択捉もそれなりにキツかったらしい。
「ダメだっつの。ウチの基礎訓練は全員共通でやってんだ。給油艦の速吸や神威だってやってんだぞ?特別扱い出来るか」
しかし俺がその意見を一刀両断。現実は非情である。
「そっか〜……じゃあ、せめて今晩の食事代は私が持つわ!お姉さんのオゴリよ!」
「え、いいんすか!?」
「勿論!ただし提督、私にも美味しいもの出してよね!」
「へいへい」
五十鈴よ、もしかして食べる方が目的じゃねぇよな?というツッコミはついに出来なかった。
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