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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十九話 艦隊再編成、そして、次の章の幕開けです。
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。70万人の犠牲者を出して、それであなただけが生き残った。勝てばまだ良かったですよ。犠牲は犠牲でも意味のあるものだったと思うことができるから。でも、負けてしまったら何も残らない。」
「・・・・・・・。」
「多くの人が遺族年金をもらうだけ。それも帝国からの亡命者に対してのものになるわけですから、ほんの微々たるものでしょうけれどね。」
「・・・・・・・。」
「あなたの更迭を国防委員会に要求し――。」
ものすごい音がした。ウェルクレネード准将が体勢を崩して狭いシャトルの壁にうち当たったのを、その襲撃者を、皆は凍り付いたように見るだけだった。
「あなたに、何がわかるというのよ!!!!」
カロリーネ皇女殿下がものすごい形相で襲い掛かっていた。襟髪を掴んで引きずり起こすと、所かまわず拳を叩き付け、ひっかきまわす。殺す気か!?と誰かが叫び、引き離そうとしたが、あらん限りに抵抗した。
「ウィトゲンシュティン中将閣下が、どんな思いでいるか、全然わかっていない!!!」
さらに二、三発殴り、揺さぶり続ける。誰もがカロリーネ皇女殿下を引き離しにかかったが、彼女は声を上げて抵抗して暴れまわり、准将を放そうとはしなかった。
「何十万人も死なせておいて、閣下が平気でいられると本気で思っているの?だとしたらあなたはバカだわ!!閣下が一人一人をどんなに大切に思っていらっしゃったか!!毎日毎日軍務の傍らずっと兵士一人一人の記録を、履歴を見て、時間が許す限り声を掛けに行って!!!私は傍らでそれをずっと見ていた!!」
鉄臭い味が口の中に広がり、血が飛び散った。誰の血かわからない。痛みを感じることもなかった。
「無力なことがどれほどつらくて、どれほど悲しくて、どれほどむかつくか、あなたにわかる!?私は嫌というほど知っているわ!!!誰だって好きで無力でいるんじゃない!!!」
皇女殿下時代から一転、亡命し、そして運命に翻弄され続け何一つできていない自分をカロリーネ皇女殿下はどれだけ憎んできたか。それでも生きようと思ったのは自分を気にかけてくれている人たちのために役に立ちたいと思ったからだ。それでもなお、先の戦いで自分は何一つできなかった。何一つ、何一つ!何一つ!!
「あなたは部下だからいいわよ!!何かあれば全部責任を上司に押し付けて終わりだもの!!!そしてあなたは知らんぷり!!!あなたは本当に――。」
カロリーネ皇女殿下はあらん限りの声で叫んだ。
「最ッ低だわ!!!!!」
不意に二、三の鋭い痛みが頬を走った。カロリーネ皇女殿下は喘ぎ、涙を浮かべながらようやく目の前の光景を理解することができた。彼女は両腕を抱えられていた。そして、目の前にはウェルクレネード准将が血だらけになりながら横たわっていたのである。そして、カロリーネ皇女殿下の頬を張ったのは、ほかならぬウィトゲンシュ
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