第四章 RE:BIRTH
その名より「一つ」欠けたモノを表す
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蹴りで翼刀の側頭部を強打する。
しかし、唯子のその左足を翼刀は掴み取り、合気を以って逆に投げ飛ばし、唯子を大木に叩きつけた。
「が・・・けっほ・・・・!!」
肺の空気がすべて押し出され、胸を押さえて唯子が地面に倒れる。
「最後の夜天の王・・・・確認」
上空にいるはやてを睨み上げ、ヴァルクヴェインを振るう。
もちろん、はやても空間魔法でそれを迎え撃った。
しかし、射出されてきた刃一本一本が揺らぎを携えており、それぞれの間に捩じれを生じさせている。
二つの力の間に生じる捩じれだけでも、本来とんでもない威力。
しかし、今のこれはその数を優に超えており・・・・!!!
ギュオッ、パンッッ!!!
大気がはじける音がして、はやてが内部からの衝撃に血を流しながら落ち、倒れた。
捩じれで歪んだ空間。
それが一気に解放されたことによる大気の押し出し。
一瞬生まれた「真空」という状況に、人間は耐えられるほどの強度を持っていない。
「ケふッ・・・ッハ!!」
「ぐ・・・ッ・・・」
地面に倒れ伏し、ユニゾンも解けてしまうはやてとリィンフォース。
そこに向かって、翼刀が剣を振り上げ――――――
ガガガガガガガガガガッギィンッッ!!!
放たれた刃が、蒔風の剣によってすべて弾かれて消えていった。
「!?」
どこからか飛来してきたその剣が地面に突き刺さると同時に、もう一本が飛んできて剣と剣がくっついた。
二本合わさり「林山」となったその剣は、エネルギードームを作り出してその中のメンバーのダメージを少しずつだが、癒し始めている。
その剣に気を取られる翼刀だが、直後にその身体を衝撃が襲った。
なんてことはない。
ただ単に、一人の男がぶつかってきただけのことである。
「テメェ・・・好き勝手やってくれてんじゃねぇか!!!」
「ッ!!!」
ゴォンッッ!!
蒔風の衝突でそのまま押し出され、共にドームの中から出ていく翼刀と蒔風。
数十メートル吹っ飛んだところで、翼刀が大地に足をつけてそれを受け止めきる。
両者の剣が鍔競合って、小さな火花を散らす。
「・・・・・」
「・・・・おい、いつまでダンマリしてんだお前」
「・・・・・・・・」
「音撃は効かない、的確な判断能力・・・・つまりはお前・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「洗脳、解けてんだろ」
「・・・・・・・・・・・・・・ああ」
蒔風が
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