暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第四章 RE:BIRTH
その名より「一つ」欠けたモノを表す
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
蹴りで翼刀の側頭部を強打する。


しかし、唯子のその左足を翼刀は掴み取り、合気を以って逆に投げ飛ばし、唯子を大木に叩きつけた。



「が・・・けっほ・・・・!!」


肺の空気がすべて押し出され、胸を押さえて唯子が地面に倒れる。




「最後の夜天の王・・・・確認」


上空にいるはやてを睨み上げ、ヴァルクヴェインを振るう。
もちろん、はやても空間魔法でそれを迎え撃った。

しかし、射出されてきた刃一本一本が揺らぎを携えており、それぞれの間に捩じれを生じさせている。


二つの力の間に生じる捩じれだけでも、本来とんでもない威力。
しかし、今のこれはその数を優に超えており・・・・!!!


ギュオッ、パンッッ!!!



大気がはじける音がして、はやてが内部からの衝撃に血を流しながら落ち、倒れた。

捩じれで歪んだ空間。
それが一気に解放されたことによる大気の押し出し。


一瞬生まれた「真空」という状況に、人間は耐えられるほどの強度を持っていない。




「ケふッ・・・ッハ!!」

「ぐ・・・ッ・・・」


地面に倒れ伏し、ユニゾンも解けてしまうはやてとリィンフォース。



そこに向かって、翼刀が剣を振り上げ――――――


ガガガガガガガガガガッギィンッッ!!!


放たれた刃が、蒔風の剣によってすべて弾かれて消えていった。


「!?」


どこからか飛来してきたその剣が地面に突き刺さると同時に、もう一本が飛んできて剣と剣がくっついた。
二本合わさり「林山」となったその剣は、エネルギードームを作り出してその中のメンバーのダメージを少しずつだが、癒し始めている。



その剣に気を取られる翼刀だが、直後にその身体を衝撃が襲った。


なんてことはない。
ただ単に、一人の男がぶつかってきただけのことである。



「テメェ・・・好き勝手やってくれてんじゃねぇか!!!」

「ッ!!!」

ゴォンッッ!!



蒔風の衝突でそのまま押し出され、共にドームの中から出ていく翼刀と蒔風。
数十メートル吹っ飛んだところで、翼刀が大地に足をつけてそれを受け止めきる。

両者の剣が鍔競合って、小さな火花を散らす。



「・・・・・」

「・・・・おい、いつまでダンマリしてんだお前」

「・・・・・・・・」

「音撃は効かない、的確な判断能力・・・・つまりはお前・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」


「洗脳、解けてんだろ」











「・・・・・・・・・・・・・・ああ」









蒔風が
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ