第四章 RE:BIRTH
十三人、侵入班、囚われの身
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「お・・・・グぅ・・・・・」
蒔風が部屋で唸る。
四肢の先端を壁にはめこまれ、そこからエネルギーが取り出されていっている。
その下の床にはすでに水たまりのような汗が垂れており、疲労の程がうかがえた。
「くっそ・・・好き勝手に薬やったと思ったら今度はこれかよ・・・・」
苦しそうな顔をして、悪態をつく蒔風。
しかし、聞く人間は一人もいない。代わりに、壁に埋め込まれた機械が止まることなく動き続けている。
「ふゥ〜〜〜〜・・・・ダぁッッ!!!」
ゴッッ!!!
息を深く吸い、一気に吐き出して、蒔風がその手にエネルギーを放出し、壁ごと破壊して脱出しようとする。
しかし壁はガキョガキョという音を立てて少し揺れただけで、すぐにそのエネルギーと衝撃を吸い取って送り出してしまう。
「〜〜〜〜〜〜ッ・・・・・ハァッ、ハァッ・・・・クソ」
そしてまた憎たらしそうに呟く。
(俺のエネルギーが使われているってことは、ここに誰か来たってことか・・・・多分アイツらだろうなぁ)
脱出できればよかったのだが、これ以上抗うと逆にエネルギーを与えることになりかねない。
「EARTH」が来ているのなら、これ以上は首を絞めるだけだ。
「果報は寝て待て、ってことか」
そうして、蒔風が目を閉じた。
無駄にエネルギーを使うわけにはいかない。そうじゃなくても、ただえさえ吸い取られているのだから。
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城壁の外
いまだ敵も味方も、まだ一人も欠けてはいない。
しかし
ギィ!!!
「ハァッ!!」
クラウドが獅子天麟を大剣で受け止め、分離させたもう一本の剣で蒔風を狙う。
それを蒔風も獅子天麟から麒麟を抜き、受け止めてクラウドを蹴り飛ばす。
後退するクラウドだが、大剣をクイッと持ち上げ、剣を一本射出、蒔風に向かって飛ばしていった。
しかし蒔風はそれを真っ向から弾き飛ばし、クラウドになおも向かって行く。
「クラウドさ、ウワォッッ!?」
「自分の相手に集中しろ!!」
「相手の数の方が多いんだからってもうこの!!!」
現在、各人がそれぞれ一人ずつ蒔風を相手にしている。
混戦、というよりは一対一がいくつかある、といった感じだろう。
「相手の方が数が多いんだ!!自分の相手以外を気にしていたら死ぬぞ!!」
「でも気にしないわけには・・・・・」
ドゴォウッッ!!!
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