第四章 RE:BIRTH
四面楚歌
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兵士の装備は銃が一つのみ。
服は分厚いもので、深緑色をしている。
ヘルメットのようなものをかぶっており、蒔風はそれで目元を隠している。
(しかし熱い・・・・夜に逃げればよかった)
地面からの照り返しと、直射日光が身を焦がす。
あの施設の中で時間も何も分かったものではないので、飛び出せるときに飛び出したらこのざまだ。
夜だったら闇夜に紛れることができたというのに。
(もぐりこんだはいいがこのままじゃ帰っちゃうし・・・・・いや?こいつらは死人。だったら夜通し探すだろうからその隙に乗じて・・・・)
様々なことを考えながらついていく蒔風だが、実をいうとついて行くだけでも結構な神経を使う。
先頭のジープは決して速く走っているわけではない。
しかし、この兵士たちの足並みが気持ち悪い程にそろっているのだ。
その足並みが少しでもずれればバレるかもしれない。
そう考えると、一歩一歩に神経を使うのは当然で、そんなことをしながら妙案も何も思いつくはずがない。
(こりゃぁ行き当たりばったりになりそうだぞ・・・・・)
そう思いながらも「いつものことか」と気を取り直す蒔風。
(しっかし・・・・どこまで行くんだ?これ)
おそらくこれは自分を捜索する隊だ。
それにしては結構歩くし、散開した方が見つけられるんじゃないか、と考える蒔風だが、そんなことを考えているうちにジープが止まった。
ジープの上の男(研究所で見た顔だ)が、コンソールをいじって指示を出す。
蒔風の首にも首輪は付けているが、当然壊したものをばれないようにつけているだけだ。受信機能なんてあるわけない。
だがそれでも周囲の兵士が散開していくのを見て「そう言う指示か」と判断し、蒔風も走り出した。
パンッ!
「ッ!?」
そして、発砲音。
蒔風が身体を回転させて、弾丸を回避する。
ジープを見ると、その上に立つ男が銃(普通の拳銃)を手に蒔風を見下ろしていた。
「周囲の動きを見ての瞬時の判断。しかも、その一瞬で誰も向っていない方向を見極めて走り出しているのだから、流石と言わざるを得ないな。まあ、その一瞬が命取りだったわけだが」
「くそ・・・・」
「ああ、あと今の発砲はお前だと気づいていたわけじゃなく、すぐに動かない欠陥品を処分しようとしただけだ。お前はこの状況にしては完璧だったよ」
男が蒔風を称賛しながら手を上げる。
すると周囲に兵士がやってきて、無言で蒔風に銃(こっちは兵器の)を向けてきた。
数にして十三人。
十三の銃口が蒔風を狙う。
「あんた
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