第四章 RE:BIRTH
レッドカモフラージュ!
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三日前に流れ弾で死んだよ!!」
ここは「クソ」、つまりは蒔風達の目的地である国の医療班のいるテントだ。
医療、と言っても痛み止めに数の少なくなっている鎮痛剤をぶち込んだり、怪我を消毒して包帯を巻く程度しかできない、保健室程度の効果しか持たないものだが。
しかしそんな施設でも次々と担ぎ込まれてくる。
ここに連れてきても無駄な、どうあっても死んでしまう人間もいる。というかそちらの方が多い。
正直な話、そんな人間を連れてくる方が労力も人員も裂くのでほっといた方が効率がいいのだが、ここに何時連中はそんなことにも頭が回らない、もしくは考えられる状況じゃない。
と、そこに三つの人影が飛び込んできた。
「だ、誰か助けてくれ!!」
それは、全身真っ赤になった蒔風たちだ。
ランサーは腹部を真っ赤に染め、口からもボタボタと血をこぼしている。
フェイトは涙を目に溜め、肩から腕を力なくブラブラさせながら頭から血を流していた。
ちなみに髪は束ねて、男性に見えなくない顔をしている。
そして蒔風は二人に肩を担がれ、ズルズルと運び込まれてきた。
顔面に血をぶちまけ、もう死体同然のように見える。
右足はズルズルと引きずり、グラリと揺れる首が前後左右に揺れる。
「な、なにがあった!?」
「森に引きずり込まれてズタズタにやられた!!」
「あいつらエゲツねェ・・・・人間の仕掛ける罠じゃねェ!!俺たちを人間と思っちゃいねェ!!」
地獄から帰ってきました、とでも言わんばかりのその姿にその場の全員が驚愕する。
だがそれも数秒だ。
すぐに助からないと知ると、そいつをあっちに置いてこいと二人にいい、助かる人間の治療(という行為)に専念する。
それを聞き、二人が「畜生あの野郎ども・・・・こいつ寝かしたらすぐにアイツらぶっ殺しに行って来らぁ!!」とか叫び、周囲の人間も「やってやれ!!」とか「仇を取ってやれ!」とかいって送り出していた。
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「う〜へ。ケチャップ臭い」
「ったく・・・いきなりぶちまけられた時は何かと思ったぜ」
「髪の毛ベタベタだよぅ」
その後、近くの町
そこに蒔風たち三人はいた。
ここはもう「クソ」の国内だ。
あの戦闘の合った街から一番近く、あれだけ死傷者がいるのにまだ終わってないのか、銃撃や爆撃の音が聞こえた。
全身の赤い血は、森の中で蒔風がぶっかけたケチャップだ。
二人とも頭からかぶり、要所要所に塗りたくったのだ。
顔もそれである
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