第四章 RE:BIRTH
少女、脅威
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
少女の拳が、壁を破壊する。
少女の踏み込みが、地面に亀裂を入れる。
動き一つ一つが、空を切る。
明らかに素人ではない。
おそらくはこのバリアがなくとも手こずるだろう。
そして、それがある以上は手こずる以上に、きつかった。
「!・・・!、!」
「ふっ、ほ、せッ!!」
無言で恐ろしい突きを繰り出してくる少女を、蒔風が最小限の動きで回避していく。
最小限、と言っても紙一重すぎると勢いに巻き込まれてしまうから見た目は必要以上に回避しているように見える。
無論、その少女の首にも住人と同じような首輪がついているが、この状況で取れるはずがない。
(くっ・・・・あっちの相手は素人。武器があれば、すぐに誰か一人でもこっちに来てくれる!!)
------------------------------------------------------------
蒔風の考えは正しい。
現に今まで手こずっていたのが嘘のように、バタバタと刀を持った住人が倒れて行っていた。
首輪は取れないものの、簡単に昏倒される住人達は、面白いように地面を埋め尽くしていった。
残るは、あのレーザーを放つ銃を持った十人ほどだ。
正直、もう相手になどならならなかった。
------------------------------------------------------------
バチィッ!!という鋭い音がして、蒔風の手のひらが弾かれた。
少女の拳を受けたのだが、触れた瞬間に弾き飛ばされたのだ。
一回受けるだけで、身体が大きく仰け反っていく。
そこにさらなるラッシュを叩き込む少女の攻撃を、それでも姿勢を無理やり戻しながら受け続ける蒔風。
「つ!!おぁっ!?ウグォッ!!!!」
少女の攻撃に、とうとう蹴りが加えられてきた。
右回り蹴りに、蒔風の左わき腹がミシリ、と軋みを上げ、一気にその体が吹き飛んだ。
地面を一回はね、そこで体制を整え両手両足で着地、下に顔を向けながら踏ん張り、地面を滑る。
その勢いを殺しきった蒔風が顔を上げると、その顎に少女のアッパーが思い切り振られてきた。
顎の下に両掌を添え、それを受ける蒔風が、身体ごと縦回転して威力を殺す。
そこで少し宙に浮く蒔風に、少女の攻撃が止めど無く打ちこまれていく。
その威力は手足で弾いているにもかかわらず、蒔風の体がなかなか地面につかないほどだ。
鞭でも振っているような音が続き、ふとそこで、蒔風の腹に
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ