第四章 RE:BIRTH
少女、脅威
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少女の脚がスッ、と当てられた。
「ッ!まず」
ドンッッ!!!
最初に受けたノーインチパンチ、それの蹴りが、蒔風の腹部にクリーンヒットした。
その蹴りの衝撃はその体を突き抜け、宙を奔り、その方向15メートル先にあった民家を打ち砕く。
しかし、少女の脚に引っ掛かる蒔風の体が、まるで霧でのあるかのようにユラリと消えた。
幻影だ。
少女は無感情に加え無表情だ。
だが、困惑はしているようで蹴りのその体勢のままで左右を見る。
一体どこにいるのか、と
その疑問に、蒔風の声が応えた。
「下だよ」
その声に気付いた時には、少女は下から蒔風に抱えあげられていた。
そしてそのままの勢いで、蒔風は少女を抱えたままその通りを一直線に飛んで行った。
蒔風がいたのは、蹴り上げられっぱなしの少女の脚の下だ。
そこからその片足ごと抱えあげられた彼女は、ドカドカと蒔風の背中を叩くがしかし、この体勢では威力はない。
このままでは、どこかの壁に叩きつけられる。
そう思ったのか、少女は蒔風の右脇腹に拳を当てた。
「は、踏み込みのできないこの体勢で、そんな拳が撃てっかよ!!」
ボゴォッッ!!!
そう叫んだ蒔風だが、直後にその認識を改めた。
なぜならその少女は、踏み込まずとも腕の力のみでそれを放ってきたのだから。
とはいえ、それの威力は大したことはない。
だが近距離とはいえ真横からの衝撃だ。直進する蒔風の体勢を崩すには十分だった。
少女を放し、地面を転がる蒔風は受け身を取って(あくまでこの攻撃での)傷は一つもない。
一方少女はそのままの勢いで投げ出され、全く方向を変えることなく吹っ飛び、民家に突っ込みそれを倒壊させる。
「っ〜〜!!」
頭をさすりながら立ち上がる蒔風。
しかし、少しの間もおかずに民家の中からは少女が立ち上がって蒔風へと突進してきていた。
「舜さん!!」
それを見て、エリオが少女へ向かっていく。
少女も迎え撃つつもりだ。
否、おそらくはエリオを轢き倒してそのまま蒔風へと向かうつもりなのだろう。
「エリオぉ!!」
そのエリオを援護しようと、蒔風が身体を横に向け、両掌を迎え合わせて上下に構えた。
その腕を突きだし、身体を横に向けてその間に雷旺を走らせる。
瞬時、エリオは理解してストラーダを振った。
蒔風のその両掌の間をストラーダが通過し、その電撃を纏ってブースターに火をつけた。
そのまま真正面に突き出されたストラーダが、少女に向かって突進する!!
「一点雷貫!!雷 旺 一 閃!
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