暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第四章 RE:BIRTH
小さな始まり
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

某月某日




蒔風の部屋






「うひぇ〜、書類めんどい」

「とか言いながらも午前中に終わらせられる勢いじゃないですか」



いつも通りの風景。
あと三十分で午前も終わろうとするそのころに、自分のデスクに向かって、蒔風が書類仕事をしていた。


なんだか遊びほうけてばかりに見られる「EARTH」だが、これでも様々な世界に顔が効くこともあって、連日さまざまな質問や書類が送られてきている。

彼がいなくなっている間にかなり数が減ってはいたものの、それでもまだ「多い」というカテゴリーに含まれる量である。




蒔風は特に書類仕事が苦手なわけではない。
そもそもここにあるのは「報告書にまとめる」という物ではなく「内容を読んで、それに対する返答やサインする」だけなのだから、本人としては読書してるのと同じ感じなのだ。

報告書(レポート)をまとめるようなのもたまにあるが、三日に一回あればいい方だし、この仕事も嘆くほどの物ではなくなってきた、とは本人の談。



そうしていると書類の山もだんだんと小さくなっていき、ついに最後の一枚にサインをして終了した。



「あ〜〜、終わった」

「ご苦労様です」



ん〜〜!と腕を上に伸ばし、身体を伸ばす蒔風にアリスがお茶を出す。
と、そこでデスクの上にお茶を置くと、そこにはまだ一枚の書類が置いてあった。


それを怪訝そうに見るアリスだが、その視線に気づいたのか蒔風がその内容に関して説明する。



「あー、それな?小っちゃい通報があったらしいんだよ」

「小っちゃい通報?」



蒔風が言うには、というか書類にあるには



時空管理局に、一本の通報があったらしいのだ。
それは三秒しかないような、短いものだったらしい。


なにせオペレーターがそれに出て、どうしましたかと問いかけても何も返答はなく、そのままプツリと切れてしまったらしい。



そんな通報だ、おかしいと思わないわけがない。

連絡先を特定してみると、そこはある街の市役所の電話だった。
ゆえにすぐ、折り返しの電話をしたらしい。


が、今度はあっさりと電話に職員だろう男が出て受け答えしたそうだ。



そこに二言、三言交わし、結局は間違え電話だったということで、小さな笑い話になるような話なのだが・・・



「その三秒の無言電話な?こんなものが聞こえてきたんだ」



そういって、蒔風がコンソールを叩いてその音声を再生する。


《(ピッ)はい、こちら時空管理局緊急通報センターです》

《・・・・・・・・・・・・・・》

《どうしま・・・・・(プツン)
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ