第十三話
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い。なんがかんだでこいつや春雨のお陰で駆逐艦の奴らとも話しやすくなったしな。
「おう。俺も正直暇だなとか思ってた所だ。」
「よかったっぽい!」
うーむ、なんだろうかこの犬とスキンシップを取っているような感覚は。なんだろう、愛でてる感じとでも言うのかな。なかなか楽しい。
すると、俺は何やら視線を感じた。その方向を見ると、時雨がこちら……というか俺を見ていた――あの目の据わった笑顔で。
「(二号くん?うちの夕立に変な気でも起こしたらただじゃ済まさないからね?いつかの提督みたいになって貰うから。)」
とでも言ってそうな感じだ。多分合ってると思う……こりゃなかなか怖い。
俺は時雨から目を逸らして、再び夕立の方を見る。
「ねぇねぇ二号さん。二号さんって彼女いるっぽい!」
「ファッ!?」
思わず変な声が出た。
いや、まあ確かにね?年頃の女の子だし、そういう事って気になるよね。夕立が一体何歳なのか知らないけどさ。
「いや、今まで居たこともないな。」
「へー、ちょっと意外だったっぽい。てっきり既に意中の人と一線越えてるイメージがあったっぽい。」
「時雨さん!あなたの妹艦が変なこと言い出しましたけど!?どうなってるんだよおい!?」
俺は思わず少し遠くにいた時雨に大声で話す。どうやら会話の内容は伝わってたらしくて、
「うん、知らない。」
ちゃんと意味わかんない返答をしてくれた。助けてくれ。
「それじゃあさ、二号さんは今好きな人とかいるっぽい?」
そして、マイペースな夕立は更に会話を進める。これに関して言えば、もうどうしようも無いんだろうな。
「好きな人ねぇ……。」
……正直俺は、今まで他人を好きになる所か、信頼することも殆どなかった。せいぜい家族と何人かの友人位だ。
うーん、これって正直「いねぇよ。」って言っても、「うそっぽい!正直に言うっぽい!(声真似)」とか言いそうだしな……。しかし、俺は嘘をつくのも苦手だしな……。
「うーん……正直、わかんねぇってのが正解かな。」
「わかんない?」
夕立は首をかしげてそう聞き返した。
「おう。ぶっちゃけ今までそういう色恋沙汰とは無縁の人生だったからな。好きとかいう感情が分からん。」
これは俺の本音でもあった。
今まで他人を見てきて何となく、学校とかにいるカップル達が軽い付き合いに見えて仕方ないんだ。
当人達はそんなこと無いのだろうが、少なくとも俺の目はそう見える。
だから、俺は心の底から好きになった奴を人生の伴侶にしたいと考えるようになっていた。
よく言えば硬派。悪く言えば無頓着。
だか
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