58.耳は遠くの事まで聞く事が出来るが、目は近くの事しか分からない。
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憎だが私は占いは信じないのだ」
「いえ…占いではありません…ただ…未来を憂う者です…」
「………」
自分でも思う…胡散臭い人物だと…
パパスも俺の事を疑っているのだろう。
「…貴方の息子さんは……リュカ(6)はこの先…極めて不幸な人生を歩みます」
俺が…息子が窮地に陥ると知れば、考えを変えるかもしれない…
「リュカが…」
そうすればパパスはラインハットには行かなくなる。
そしてサンタローズにも兵は押し寄せず、フレアさんも不幸にならないかもしれない…
「はい。ですから……………」
………いや!
これ以上言ってはいけない!
未来を変えてしまう…
「ですから、息子さんに優しくしてあげて下さい。息子さんは貴方の事が大好きなのです!」
俺はそこまで言うと、踵を返して立ち去った!
後ろではパパスが…父さんが何かを叫んでいるのだが振り返る事が出来ない!
もう…涙が溢れて止まらない…
俺は実家を出て歩き出す。
何処を歩いたのか分からない…
後ろを振り返らず…ひたすら歩いた。
<妖精の国>
気が付くと目の前にポワン様が佇んでいた。
ポワン様は静かに…優しく俺の頭を抱き締めてくれた。
俺はポワン様に抱き付き…声を殺して泣き続けた…
父さんを見殺しにした事に…フレアさんを見捨てた事に…
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