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レインボークラウン
第四百三十六話

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             第四百三十六話  博士の好きな乳製品
 博士はこの夜も飲んでいた、まずはステーキで一本空けたがデザートのザッハトルテを食べてから小田切君に言った。
「さて、今日はじゃ」
「もう一本ですか?」
「いや、二本じゃ」
 実際に赤ワインのボトルをもう二本用意していた、コルクはもう抜いてある。
「今から飲む」
「肴は何ですか?」
「これじゃ」
 皿を出してきたがそこにスライスしたチーズ達が置かれていた。
「チーズじゃ」
「ああ、それですか」
「うむ、今日はこれを楽しむ」
「ワインっていったらそれですね」
「そうじゃな、いい組み合わせじゃ」
「肉料理もいいですが」
 小田切君は早速飲みはじめている博士に言った。
「チーズもいいですね」
「赤ワインにはな」
「あとパスタも」
「うむ、しかしあっさりといきたい時はな」
「チーズが一番ですか」
「この組み合わせは永遠じゃ」
 チーズとワインを交互に味わいつつ述べた。
「実によい」
「そうですか、じゃあ」
「うむ、今宵はこれでいく」
「二本空けられますか」
「そしてじゃ」
 博士は小田切君にその二本のワインを空けてからの話もした。
「小田切君風呂は入ったな」
「これからです」
「わしはもう入ったからな」
「じゃあ僕が最後ですか」
「ゆっくりと楽しんでくるのじゃ」
「そうさせてもらいますね、それでお風呂の後は」
 どうするかとだ、博士は飲みつつ小田切君に言った。甘口のそのワインの味を堪能しつつ。
「家に帰ります」
「そうするか」
「はい、今日は」
「ではまたな」
「明日宜しくお願いします」
「わしは飲んで寝る」
 博士は今度はチーズを食べつつ言った、上等のウォッシュチーズである。
「ぐっすり寝るぞ」
「博士二日酔いにならないですしね」
「三本では平気じゃ」
「そうですよね」
「だから心配は無用じゃ」
 二日酔いになっていたり倒れていたりということはだ、博士はワインなら三本では二日酔いにならないのだ。
「安心して帰るのじゃ」
「そうさせてもらいます」
「ではまた明日じゃ」
 こう二人で話してそしてだ、小田切君は風呂に入ってから帰った。博士はチーズでワインを楽しんでそうして寝たのだった。ボトルも皿もなおしてから。


第四百三十六話   完


                    2017・4・6
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