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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第89話:職業選択の自由アハハ〜ン?
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て事実は変わらないのよ」
「うっさい、うっさい! お姫様として産まれて何も考えてなかったんだから仕方ないでしょ! アンタこそ進路は如何するのよリューノ!?」

マリーのヒステリックな声がグランバニア城の中庭に響き渡る。
昨日からオイラ達はコイツの将来について知恵を出し合っているのだが、当人がこの通りなので一向に話が前に進まない。

「昨日も言ったでしょ……私は城下にある“アマン・デ・リュムール”ってカフェで働こうと思ってるの。オーナーさんとも仲良いのよ」
「お前だけ抜け駆けしやがって……リューラとアローは!?」

「オイラ達のことも昨日言っただろ! オイラは陸軍の野球部に呼ばれてるんだ」
「私は近衛騎士隊……」
「あ〜……そう言えばそんな事言ってたわね」

「マリー様は魔法が得意なのですから、魔技高に進学されては如何ですか?」
「はぁ? 何で左団扇な人生を送れるはずだった私が、今更勉強をしなきゃならないの!? 嫌〜よ、面倒臭い」
コイツ、ダメだ……そんな考えリュカさんが許すはず無いのに。

「やっぱりメイドよ! 城勤めのメイドだったら楽じゃん!」
「楽なんかじゃないですよ! 特にあの汚い部屋を制作できる人物には!」
もっと言ってやれジュディーさん。

「だから何度も言ってるじゃん。プライベートと仕事は違うのよぉ」
「じゃぁ聞きますけど、リュリュ様が『私も料理に目覚めたから、城の専属コックになる』って言ったら認めますか? 出てきた料理を食べますか!?」

「う゛……そ、それはぁ……」
「無理ですよね!? ですが、それと同じ事をマリー様は仰ってるのですよ! 掃除能力が壊滅的に存在しないのに、その能力を使う職に就こうとしてるんですよ!」

「うぐぐっ……じゃ、じゃぁ私は如何すれば良いのよ!? もうチマチマした努力とか絶対にしたくないわよ! やりたい事しか、やりたくないんだからね!」
本当に最低だなこの女……

「じゃぁやりたい事をやって下さいよ。何でやりたくもないし、出来もしない事を職にしようとするんですか?」
「……私のやりたい事って何?」
知るかよ、お前のやりたい事なんて!

「マリーはさ、何時も『私は歌姫よ』とか言って(ほざいて)たじゃん。だからさぁ……歌を歌うことを生業にすれば良いんじゃない?」
「おぉ……なるほど。良いわねアイドル!」
何だ『アイドル』って?

「じゃぁ芸術高等学校に進学か?」
「ふざけんなリューラ! チマチマ努力するのは嫌だと言っただろ! 私ほどの容姿と歌唱力を持ってすれば、直ぐにでもトップアイドルよ!」

リューノの提案を受け、何処かトリップしたマリーが自らの未来を夢見ている。
メイドになられるよりかはマシだろうから、オイラもジュディーさんも何も言わ
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