黒衣を狙いし紅の剣製 02
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はするけど。
「あぁよろしくクロエ」
「ク・ロ」
「ん?」
「お兄ちゃんにはクロって呼んでほしいな。お兄ちゃんとは仲良くなりたいし、将来的に色々とあるかもしれないから」
色々……確かに可能性の話をするならば適した言葉ではある。
だが……どうしてだろう。ヴィヴィオと変わらない年代のはずなのに言葉に妙な色気を感じるのだが。最近で言うところの小悪魔系なのだろうか。だとすると同年代の男子達は大変な目に遭うかもしれない。
しかし……一瞬この子から不穏な視線を感じたのは俺の気のせいか?
口調こそフレンドリーというか気さくな感じではあるが礼儀は弁えているように思える。それ故に本当は緊張しているのを隠しているだけかもしれない。これくらいの年代の子が初対面の大人と会話するのに緊張感を覚えるのは無理のない話なのだから。
まあ……いたずらをしてくる気配もないし、深く考える必要はないか。下手に警戒して余計な荒事を招く方が愚の骨頂だし。
「あまり気にしないでくれ。この子も私に似たのかデバイスに興味を持っていてね。将来は君のようにデバイスを開発したりしたいと思っているんだ。さっきのも一緒に仕事をしたいとかそういう意味だと思う」
「もうパパ、こういうのは秘密にしておくから良いことなのに。まったく女心が分かってないんだから」
「仲良いんですね」
「まあね。今はこの子だけが私の家族だから……」
そう言ってグリードさんはクロの頭を撫でる。
ただその姿が演技じみているというか……ぎこちなく見えるのは俺の気のせいなのか。クロの顔も微妙な感じに見えなくもないし。
ただ……単純に普段撫でたりしていないからかもしれない。また女の子は早熟だ。故にクロがそういうことを嫌がってもおかしくない。まあ今日会ったばかりの親子の関係にどうこう言うのはおこがましい。気にしないでおくことにしよう。
「……っと、そういえば仕事の途中だったね。あまり長居するのも悪いし、今日はこのへんで失礼するよ」
「えーもう帰っちゃうの? もっとお兄ちゃんと話したいのにー」
「我が侭を言うんじゃない。今日はアポなしで来ているんだから。また今度連れてきてあげるよ」
グリードさんは立ち上がると、意識をクロから俺の方へと移す。
「と言ったものの……見学とか構わないかい? この子をダシに使うような言い回しだったが、私も技術者の端くれだからね。最新技術に興味があるんだ」
「まあ……きちんとアポを取ってもらえれば構いませんよ。俺のやっているものは秘匿するより広げていきたいものですから」
人型フレームを使ったデバイスなんて扱ってるのは俺を含めても身近な技術者ばかりだからな。
父さんの想いや俺達の願いが叶うためにも多くの人に知ってもらいたい。そのためには興
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