黒衣を狙いし紅の剣製 02
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いてない頃だからね。知らないのも当然さ。私はグリード・ナハトモーント。君の親戚だよ」
「は、はぁ……」
親戚と言われてもこれまでに会ったことがないだけにピンとこない。義母さんもそのへんの話はしないし、俺が知っていた知り合いもリンディさんといった一部の人間だけだ。
ただこの人の目を見た限り、嘘を言っているようには見えない。
また俺が地球育ちなので父さん側の血筋に関してあまり知らないのも事実。義母さんに聞いたところで、昔のあの人はあまり人に興味を持っていなかったから聞くだけ無駄な気もするし。
まあ現状で敵意のようなものは感じないし変に疑うのはやめておこう。長年会おうとしなかった親戚が急に顔を出したのだとしても。
「どうも夜月翔です。今日はいったいどういうご用件で?」
「あー大した用件じゃないんだよ。長年研究ばかりしていたわけだが、数年前から君のことをちょくちょくテレビで見るようになってね。うちの娘も君に会ってみたいっと言っていたから今日訪ねてみたんだよ。いきなりは申し訳ないと思ったのだが、あいにくなかなか都合がつかない日が多いものでね」
理由としては納得出来るものではある。
研究者は自分の研究がゴールを迎えないことには報われるものではないし、研究内容によっては数年も結果が出ないこともざらだ。根っからの研究者なら今こうして話している時間さえも勿体ないと感じてもおかしくない。
「さて……おや? まったく……自分が会いたいと言っておきながら。おーいクロエ、こっちに来なさい。ショウくんが来てくれたよ」
グリードさんが声を掛けた先には、ヴィヴィオと同じくらいの女の子の姿があった。義母さんと同じ年代の人の娘にしては若い。まあなかなか子宝に恵まれない人も居るのもいるわけだが。
しかし、こちらに近づいてくる少女の肌は褐色で髪はピンクが混じった白色。髪色はグリードさんも義母さんに似て銀色っぽいのでそこまでおかしくはないが……母親が褐色の肌の持ち主なのだろうか。顔立ちもグリードさんに似ているようには思えないし。
「ほんとに来てくれたんだ。パパって研究ばっかりしてる人じゃなくて結構凄い人だったのね」
「そういうことは言わなくていい。それより……ちゃんと挨拶しなさい」
「はーい。どうもはじめまして、クロエ・F・ナハトモーントです。よろしくね、お兄ちゃん♪」
お……お兄ちゃん?
まあ確かに俺のこの子の年齢差はなのはとヴィヴィオのようなものだ。一回りくらいの年齢差なら兄として扱われるのはおかしくない。話が本当なら俺とこの子は親戚なわけだし、それがなくても年下の子がお兄ちゃんと呼ぶのはおかしいことではないのだから。
それに……おじさんだとか言われるよりはマシだ。呼ばれ慣れない呼び方だから少し恥ずかしさもあり
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