黒衣を狙いし紅の剣製 02
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ん?」
「気を付けてくださいね」
ストーカーが居るかもしれないという発言をしてからなのだろうが、ここまで心配そうな顔をされると言わない方が良かったかもしれない。まあ今更言っても遅いのだが。
「大丈夫さ。集団が来ている雰囲気はないし、俺のことを狙うにしても警備の居るここよりも他で狙う方が自然だ。それに……俺はそんなにやわじゃないよ。だから心配するな」
そう言って頭を撫でてやると、ユーリは恥ずかしそうにしながらも笑顔になった。彼女は普段笑っていることが多いので、やはりこっちの方が似合う。
「む……その顔は何だか子ども扱いされてる気がします。ショウさんに撫でられるのは好きですけど、そういう風に撫でられるのは嫌です。もう私だって子供じゃないんですよ」
「そう怒るなよ。子供だとは思ってないから」
「本当ですか? ショウさんは私に対しては他の人より簡単に触れてくる気がするんですけど」
「まあお前やレヴィは昔から懐いてたというか距離が近かったからな。その名残だよ。触れるなって言うならやめるさ」
「それは……ダメです。その……スキンシップは大切ですから」
そこで別にいいですよって言えなかったり、ちょっと拗ねたような顔をするのが子供っぽいんだけどな。背丈は大きくなってもそのへんが変わらないから俺もつい撫でたりするんだろうけど。
「じゃあ行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい…………何か奥さんっぽかったです」
「口に出すならマスターに直接言ったらどうなのだ?」
「アアアアルトリア、聞いたんですか!?」
「抱かれている状態なのだから聞こえるのは当然だろう」
「アルトリアさん、いったい何の話をされているのですか?」
「な、何でもないですから。だからジャンヌも気にしないでください!」
部屋を出る瞬間に何やらユーリが騒いでいたみたいだが……まあユーリだから気にすることはないか。またアルトリア達と戯れてるんだろう。
そう完結させた俺は受付の方に向かう。
昨日もろくに仕事できなかったし、可能な限り早めに切り上げよう。あまり待たせるとユーリも拗ねるかもしれないし……さすがにこれはないか。シュテルやレヴィなら機嫌を悪くしていたかもしれないが、今日は別件で外に出てるし。
さて……義母さんの知り合いってのは誰なんだろうな。
「おや? やあショウくん、久しぶりだね」
受付近くの待合席を通りかかると、白衣を着た痩せ気味の男性が声を掛けてきた。年齢は義母さんと同じくらいか少し上に思われる。
義母さんほどではないが目には隈が出来ており、髪の毛もここ最近は切りに行ってないのか伸び切った感じがする。いかにも働き過ぎ一歩手前の技術者という風貌だ。
「えっと……」
「あぁーすまない。君と会ったのは物心もつ
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