黒衣を狙いし紅の剣製 02
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娘のように思う気持ちは分からなくもない。
しかし……今のような愛情表現はせめてアウトフレーム状態の時にしてやれと言いたい気持ちにもなる。普段の大きさで人間から一方的に頬摺りされるのはデバイスも困るだろうから。
まあこれといって何もするつもりはないのだが。
アルトリアが素直じゃないのは見ていて分かるし、今後もユーリと少なからず関わっていくのだ。それにあれはユーリなりのスキンシップであり、レヴィのように勢い良く抱き着いて来たりするわけではない。放っておいても問題はないだろう。
「……ジャンヌはしてもらわなくていいのか?」
「え……は、はい大丈夫です。褒められるようなことはしていませんし……それに私から見てもアルトリアさんは可愛いですから。何ていうか大きくなったあの子みたいで」
ジャンヌが言うあの子というのは、ジャンヌの妹に当たるデバイスのことだ。名前は現状だとオルタということになっている。
何故断定ではないかというと、会話といったことは出来るがまだ完全には完成していないからだ。なのでこの場にもいない。
見た目はジャンヌに酷似しているのだが、性格は真逆に近い。まあ人型デバイスのデータ取りも兼ねているため、あえてジャンヌとは反対の性格でやってみようということになった結果なのだが。
とはいえ、まだ自我を持って間もないため素直なところもある。今後どうなるかは分からないが……アルトリアとは違った性格になる気がする。
アルトリアは傍若無人といった感じの印象だが、あの子は……捻くれたアリサみたいな感じだろうか。
「……ん?」
ジャンヌと一緒にユーリ達を眺めていると通信が入ってきた。
それに出るとここの受付をしてくれている職員が映る。こっちの映像が見えた瞬間に表情が曇ったように見えるが……
『あっ……すみませんお取込み中でしたか?』
「いや別に……騒がしいのはユーリがデバイスと戯れてるからですよ。だから気にしないでください。それで要件は?」
『はい、それはですね……夜月さんにお会いしたいという方がいらっしゃってるのですが。レーネさんのお知り合いだそうで』
「義母さんの?」
義母さんの知り合いならば直接義母さんの元を訪れれば良い気がするが……まああの人は多忙だしな。
それに義母さんは仕事ばかりしているイメージではあるが、俺の母親になってからは別のことにも目を向けることも多くなった。まあ一般人よりは少ないのだが。
それだけに知り合いが全て仕事の関係者とは限らない。関係者だったとしても義母さんが自分の代わりに俺を勧めた可能性もある。手が離せない状況でもないし、会わないわけにはいかないだろう。
「分かりました。すぐにそっちに行きます……ユーリ、悪いけど少し席を外す」
「はい……あの」
「
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