207部分:第十八話 劉備、関羽達と会うのことその三
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第十八話 劉備、関羽達と会うのことその三
「それが今どうして」
「これまでは宦官達との抗争で都を離れられなかったけれど」
「はい」
「頼りになる腹心が加わったそうよ」
「腹心といいますと」
それを聞いてだ。太史慈が思い浮かべたのは彼女だった。
「擁州の董卓殿でしょうか」
「いえ、董卓殿は擁州から動いていないわ」
違うというのである。
「一歩もね。今は擁州を治めるのに専念しているわ」
「だとすれば一体」
「確か。名前は」
その名前から話すのだった。
「司馬慰だったかしら」
「司馬慰といいますと」
「ええ、あの司馬氏のね」
諸葛勤も太史慈もだ。この名前を出したところで顔を少し変えた。真剣なものにだ。
「主よ」
「家柄では袁家や曹家にも匹敵するというあの名門の」
「そして代々高官を出している清流派の領袖のね」
こう話していくのだった。
「その彼が腹心になったらしいわ」
「名門司馬氏の主がですか」
「しかも嫡流で。相当な切れ者でもあるそうよ」
「ふむ。袁紹殿や曹操殿とは違いますか」
「そして我等が孫家とも」
諸葛勤は違うというのである。
「地方領主ともね」
「朝廷の名臣というのですね」
「そうよ。家柄も何もかもを備えているのよ」
「袁紹殿や曹操殿にとっては面白くないでしょうね」
太史慈はその話を聞いてまずこう思ったのだった。
「御二人にとっては」
「そうだと思うわ。今では大将軍の無二の腹心にして懐刀」
そうした立場にあるというのだ。
「絶対の権限を握ろうとしているらしいわ」
「その方が加わったからこそですか」
「ええ、烏丸の討伐に直々に出られるようになった」
諸葛勤はここでさらに話した。
「都を預けられる人材が加わったからこそ」
「そのうえで両翼を率いて、ですか」
「そうよ。都では比例的に大将軍の力が強まっているわ」
「それはいいことですね」
太史慈の今の言葉には理由があった。実は孫策も何進の派閥に属しているのだ。少なくとも宦官達との関係はよくはないのである。
「それは」
「そうね。さて、それじゃあ」
「はい、それでは」
「一旦下りましょう」
山を下りるというのである。
「一旦建業に戻ってね」
「はい、それでは」
こうして戻ろうとする。そして兵達と合流し建業に戻ろうとする。その時に道を開き波止場を築くことも忘れない。しかしその時にであった。
「!?来た」
「山越か!?」
「まさかここで」
「うろたえるな!」
太史慈がすぐに槍を手にして叫ぶ。それで左右の森から跳んで来た弓矢に狼狽しようとする兵達を叱咤した。
「敵が来たなら倒すまでのこと!」
「総員集結せよ!」
諸葛勤もここで命じる。
「波止場まで行きそこで守る!」
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