『冷し』で暑さを乗り越えろ!・1
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あ゛づいっすぅ〜……」
時刻は夜。今宵もウチの店は満員だ。そんな中、カウンターに突っ伏したまま動かない影が2つに、呆れたようにそれを眺める影が1つ。
「そりゃあなぁ。このブルネイでそんなドカジャンみてぇにモコモコした制服着てりゃ暑いだろよ」
「そんな事言ったって……これが占守型の制服っすから、脱ぐワケにはいかないっしゅ」
「大体ドカジャンて何よ!?そんなダサいのじゃ無いわよ!」
カウンターに突っ伏していたのは、先日の大規模作戦で新たに発見された海防艦の占守と国後。
「占守先輩も国後先輩も、択捉みたいにセーラー服にすればいいのに」
そんなだらけた2人をよそに、けろりとしているのは占守型を改良した択捉型の海防艦の1番艦である択捉が、チビチビと冷酒をやっている。駆逐艦の中でも幼く見える睦月型や暁型より、更に幼く見える択捉が手慣れた様子で日本酒を注がれた杯を空けていく様は、何というか背徳的ですらある。
先日ウチに加わったのはこの3人も含めて6人。海防艦3、護衛空母1、補給艦1、そして極めつけにロシアからの刺客……という訳ではないが、金剛やウォースパイト並の艦齢を持つ戦艦が1。どういう政治的取引があったかまでは知らんが、半分敵対関係にあったロシアの戦艦が、何の因果かウチにも回ってきた。まぁ、戦力の増強は願ってもない事だしウチのやり方で鍛えていくだけだ。てなワケで、その6人は絶賛一ヶ月のデスマーチ中である。
「あの量のトレーニングメニューを、その分厚いドカジャン着てたらそらぶっ倒れるわな」
「だからドカジャンじゃ……もういいわよ」
暑さと疲労にやられてか、反論するのを諦めたらしい国後。よっぽどバテてやがるな。とは言えブルネイは常夏に近い。この暑さに慣れてもらわないと仕事にならん。そもそも土方の作業員が防寒に着るドカジャンに似たような制服を着込んでいるんだから暑いに決まっている。
「仕方ねぇなぁ……ほら、これでも飲んで身体冷やせ」
俺はそう言いながら、占守と国後、ついでに択捉の前にもスープマグを置いた。
「司令……なんすかコレ?」
「『枝豆の冷製ポタージュ』だ。大方しごかれたのとこの暑さにバテてロクに飯も食えてねぇんだろ?飲むにしろ食うにしろ、まずは胃袋を軽く動かしてからでねぇとな」
《火を使わずに!枝豆の冷製ポタージュ》※分量2人前
・冷凍枝豆(自然解凍で食べられるタイプ):200gくらい
・玉ねぎ:中くらいの1個
・コンソメキューブ:1個
・牛乳(または豆乳):300cc
さて、作っていこう。冷凍枝豆は調理済みで解凍すれば食べられる物を使用する。自然解凍で食べられる状態になったら、皮を剥いて実に貼り付いてる薄皮も剥が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ