206部分:第十八話 劉備、関羽達と会うのことその二
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第十八話 劉備、関羽達と会うのことその二
「水は」
「あちらに」
太史慈は山のすぐ下を指差した。するとそこには川があった。
「あそこから軍を向かわせることもできます」
「移動にも使えるのね」
「はい、ここなら問題はないかと」
「そうね。ただ」
「ただ?」
「波止場が欲しいわね」
諸葛勤が今言うのはこのことだった。
「そうすればさらにいいわ」
「波止場ですか」
「ええ、波止場もね」
「確かに。言われてみれば」
太史慈は左手を自分の顎に当てて考える顔になって述べた。
「それがあった方が移動にいいですね」
「丁度いい場所もあるし」
森と川の接点の一つを見たうえでの言葉だ。諸葛勤はそこに開けた場所を見つけたのだ。
「あそこに波止場を築いて」
「はい」
「そしてここまでの道も築きましょう」
「そうしてそのうえで、ですね」
「ええ、山越を攻める」
あらためて山越の本拠地を見ての言葉だ。
「そしてこの川は」
「長江から分かれています」
太史慈はまた話した。
「そうなっています」
「なら尚更いいわ。建業から直接行き来できるわね」
「わざわざ陸路で向かうよりずっといいですね」
「ええ、この戦い思ったより」
そして言うのであった。
「楽にいくかもね」
「今まで攻めあぐねていた山越にですか」
「攻め方を変えればそれで楽になるものよ」
諸葛勤は微笑んで太史慈に話す。
「冥琳もよく言ってるわね」
「言われてみれば。確かに」
「そして山越を下したならば」
諸葛勤は既にそれからのことも考えていた。
「それからだけれど」
「それからどうされますか」
「揚州に組み込んでその大半は領民として扱い」
そうしてだった。
「政治に組み込んでいくわ」
「領民にしていくのですね」
「ええ、袁紹殿がしているやり方でいくわ」
ここで袁紹の名前も出た。
「あのやり方でね」
「では精強な者は兵にですね」
「そうよ。我が揚州の優秀な兵になってもらうわ」
やはりその山越の本拠地を見下ろしていた。
「是非ね」
「それを考えると出来るだけ痛めつけないでおきたいですね」
「そうね。領民になるのだし」
既にそれは決まっているかの様な言葉だった。
「出来るだけ無傷でね」
「あくまで理想ですが」
「それでもそうありたいわ」
また話す諸葛勤だった。
「ここはね」
「そうですね。そういえばその袁紹殿ですが」
「何進大将軍が烏丸征討の兵を起こされそれに従われるとか」
「はい、曹操殿も御一緒です」
「大将軍の両翼」
二人の評価は今ではこうなっているのだ。
「その二人を率いてわざわざ征討というわけね」
「はい。ただ」
「ただ?」
「大将軍が都を出られるのは珍しいの
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