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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第82話 外道
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を持ちながら走って出て行く。

??
理解が追いつかないミサカ重い身体をよろけさせながら状況を把握しようと首を巡らせた。
ズキン!
鋭い痛みが走り、口から泡が漏れ出した。
良く見ると首の傷には縫合された箇所があり、気泡が漏れ出している。

「動かない方が良い。首が切断されていたが、問題ないようだ......どうかな「不死」になった気分は?」

ふし?
ふしって何?

鼻の上に大きなホクロを持った無精ヒゲだらけの男性がそっと見上げながら微笑んだ。
「あのお方もこの研究を喜ぶ事だろう。人類で初めての不死を体現したのだからね」
無精ヒゲの男性は大きなあくびをしながら、資料が積まれた机から何かを探すように乱雑にひっくり返しながら
「確か、ここに入れた気がするんだよな」と呟いており、引き出しを開けていく。
「おあ、あったあった......まだ外には出られないがプレゼントだ」
男性は机の中で埋もれていた金属のネックレスを手に取ると不恰好に広げた。
弛んでいる場所があるが形としては円の中に内接している三角形があるのが見える。
「どうやら必要みたいだからな......何だったかなー、殺戮が云々かんぬんみたいな感じだったが」

生きている?
私はまだ生きている......なぜ?
なぜだなぜだ
なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ?

また私はお姉さまを苦しめる
存在しない方が良い命
それなのに生きている

ミサカの身体から凄まじいオーラが滲み出て、培養液の入った筒に微小なひびが入りだしてオレンジ色の液体が水鉄砲のように放物線を描きだして出ていく。
「なぜ?私は......」
「!?お、落ち着きなさい!」

生かしてくれと誰が頼んだ?
誰が『ふし』にしろと言った
私は......ミサカは
誰?

真っ赤に染まる輪廻眼を光らせながら徐々に力の度合いを強くしていく。
額にある大きな皺が開き、普通の眼の1.5倍近い真っ赤な眼が出現すると入っている筒が光出したが、男性がスイッチを押すと管から鎮静剤を注射されて3つの眼がゆっくり光を抑えられて瞼を閉じて眠りだした。

「予想以上のもんが生まれたな......」
肝を冷やしたかのように汗をダラダラと垂らしながら一息つく男性。
未だに水漏れする培養液の筒に近寄りガムテープで補強していく。
「これでいいか分からんが無いよりはマシか」
伸びをしていると出て行った若い研究者が息を切らしながら慌てた様子で戻ってきた。

「だ、大丈夫ですかー!?先輩!」
「んあ?一瞬焦ったがな...,..それより博士を呼んできたか?」
「うっ!呼びに行ったら研究室から凄まじい音がしたんで戻ってきたんですよ」

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