第82話 外道
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力光よりも薄ぼやけている
「はあはあ......」
せめてもの抵抗でビリビリと蒼白い電撃を流すが化け物に跳ね返されて、身体が痺れて倒れ込む。体力の限界からか出血を抑えながら呼吸するのが精一杯だった。
死ぬ?......私も?
路地裏の隙間から見える夕焼けの空を見上げた。
この空の下に『お姉さま』がいる
ずっと逢いたくて、興味が尽きなかったモノ......家族
同じ香りの空気を吸っている
きっと私は他のシスターズとは違った考え方をした......という妄想だけで片付けられる事だろう
「弱くて嫌になるな」
足元に転がってもがいているミサカの傷口に手を突っ込むと残酷なベクトル変換を行った。
血を流れを逆流させ、弱く弾力性が低い静脈に流れるはずの血液がポンプで押し出された動脈の血液が流れだし、血管が耐えきれずに破裂し身体中のありとあらゆる所から出血し、心臓が破裂し絶命した。
身体が急激に熱くなってから脳の中で『ピチョン』と音がして視界が真っ暗になった。
次に重たい瞼を開いた時に恐怖に慄いた『お姉さま』とシスターズを連れて行こうとするゼツの姿だった。
首から下はなく何を言っているか分からないが空気音とお姉さまの表情で何となく理解した。
やっぱり恐れられたんだ
心の底から不快に思っていたんだ
......逢えなくて正解だった
会わなくて良かった
失敗作でごめんなさい
同じ顔でごめんなさい
もう首から上しかないからもうすぐ死にます
ミサカは地獄に落ちます
さようなら
サヨウナラ
......生きていてごめんなさい
大きな物体を吸い込み、吐き出した辺りで急な浮遊感の後に硬い何かに当たりグシャリと潰れるような音を聴きながら意識を手放した。
そこで確かに意識は無くなった
これが死というものだと、たくさんの経験則から知っていた。
これが死の痛み
罰の痛み
罪の痛み
頭が割れそうな痛み
だが、運が良いのか悪いのか不明瞭であるが物語はそこで終わらず奇妙な現実を提供していく。
オレンジ色の培養液の中でミサカは目を覚ました。
多分、抱え込むようなポーズをしていたと思う。いわゆる胎児型の姿勢でたくさんの管が身体に繋がれている。
すっかりと伸びた白い髪は浮力を得て、容積いっぱいに広がって漂ったままだ。
首が疼くような痛みが走り顔を歪め、姿勢を変えようとするが全身が重怠い。
「......っ!?」
培養液に居る自分を見てかモニターを見ての判断かは分からぬが若い研究者が培養液の前にやってきた。
「ん!?目を覚ましたみたいです」
「まさか本当に成功するとは......あの者が言った通りだ」
「すぐに博士に連絡してきます」
若い研究者が喜び勇みながら自動ドアを開けてカルテ
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