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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第82話 外道
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すか」
「いやぁ、アンタ滑っているわよぉ」
「えー。超ショック......朝食抜かれて」
ガクーと肩を落とすがカエル女は頭だけをこちらに向けてややトーンを低くして少しだけ殺気を強くした。

「本当ならもっと早くに接触を試みるべきでしたね......そうすればこのような事態は避けられたと考えます」
「?」
白髪の女性は着けているカエル面のゴムを伸ばして緩めるとゆっくりと面を外した。
「!?......御坂?」
カエル面の下から御坂美琴と見紛う姿が顔が出現しサソリ達に緊張が走った。
鼻先から目元に深い傷があり、額には横に糸を結んだかのように一線だけ皺が入っている。
「そう名乗っていた時もありましたね。今は『外道』と呼んでください......暁派閥のサソリさん」
「いっ!?......(バレているわよぉ)」
「いやはや、男性と聞いていましたが随分と可愛らしい容姿をしてますね」

口調は乱暴であるが現在サソリが写輪眼の力で乗っ取っている女性はまだ年端もいかぬ少女には違いなかった。
「......目的は?」
「そう構えなくて良いですよ。私の目的はゼツの完全消去です。どうです、私の組織と手を組みませんか?」
ニヤリと笑う口の下にはキッチリと首に走る一周分のノコギリ傷があり、首には円の中に内接している三角形のネックレスをしていた。

******

『目の前に自分のクローンが現れたらどんな気持ちになりますか?』

それは何気ない問いだった
世界には自分に似ている人が3人いるらしい
この問いに関して貴方はどう応えるだろうか

自分の姿や顔を見ると鳥肌が立つ者もいれば無意識的に鏡を避ける者もいる
同族嫌悪という言葉が指し示す通り、よっぽどのナルシストでなければ生きていく上で自分という全く同じ姿形の存在は同族に収まるものではなく気味悪さの塊だ。

私達のオリジナルのお姉さまにとってミサカは否定したい存在になる
理解したつもりだった

テスタメントで教えられた事は満足気に披露しているよりももっと大切な人の気持ちなんて考えずに過ごしてきた自分。
逢ってみたい気持ちがあったがこの考えの前では何もかもが崩れていき、思考が止まる。
地球の歴史から考えれば人間の一生なんて短いもの......更に無理矢理造られた私達クローンの一生なんて閃光よりも儚いだろうな

だから
これは罰だと思った

どんな銃弾も跳ね返し、核兵器をもってしても勝てない相手。
世界中の軍隊を敵に回しても笑っていられる化け物を相手に向かわなければならない
逃げる事すら許されない実験に......

だからこそ
相応しい罰なのだろう
失敗作のミサカに取っては
存在する権利すらない私達の一生はこの一発の銃弾よりも短く、夜空を照らす能
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