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入れ替わった男の、ダンジョン挑戦記
育め、冒険者学園
第十一話
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彼は『レギオス』。人工島に上がってきた翼人の中でも、特に秀でた戦技を有し、空の所有者とすら称される程の実力者。

「かかっ、案ずるな若人達。ワシが居るのじゃ、問題なぞ起こりようが無いわ!」

そして愉快そうに歩を進める中華風の装いの赤毛の童女…ただし、『角つき』の 。

彼女は龍人と呼ばれる一族の一人で、幼い外見に反して、僕ら全員を鼻唄混じりに一蹴するだけの力量がある。

『マオ』と名乗る彼女は、塔の探索に飽きたからという理由で参加してくれた。

他にも食い付いてくれた冒険者は沢山いたのだが、様々な理由でお流れになり、この五人が赴く事になったのだ。

兄さんに学園長室まで案内され、中の学園長の挨拶を受ける。マッチョなおじ様だ。元冒険者らしい。

「諸君、無茶な依頼に応じてくれて感謝する。この後の朝会で君達を紹介する、挨拶を頼みたい」

挨拶もそこそこに、学園長に生徒に何かを、と言われる。出来るかなぁ…

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「と言うことで、先日生徒会から要望のあった、冒険者の方達に御足労いただいた。皆百戦錬磨の兵だ、順に紹介するので静粛に」

学園長の話に、背後に控える冒険者を見ながら、女子生徒の一人が隣の女子に話し掛ける。

「うっわ、カズやん仕事速すぎやわ。しかも亜人多目やし、誰に頼んだんやろな、『会長』?」
「楠先生、よ。誰だって良いじゃない、どうせ…」
「可愛がってた後輩居ないんやしって?しゃーないやん、落ちたんやし」

会長と呼ばれた生徒が関西弁のようなモノを喋る生徒を睨むが、彼女はどこ吹く風、気にした様子もなく続ける。

「ウチも後輩君受かればなー、とは思たよ?でもあの子、ちょい…ウーン、こう言うたらアカンけど、見劣りしてたやん?」
「…それで?」
「棘の道にしかならん此処受かるより、別ん所行けたこの結果の方が後輩君も良かったんちゃう?ほら、壇上の子やってウチ等より年下なのに…って、あ、あれ?後輩君?」
「嘘…、楠君…?」

壇上を見た二人は驚く。丁度話題にしていた張本人が、冒険者として壇上の上に居たのだから。

その冒険者、楠英司が学園長に紹介され、口を開く。

『どうも。冒険者からはヨーンと呼ばれてますので、皆さんもどうぞ。指導を通じて何かを得てもらえば幸いです』

簡素に挨拶を済ませ、素早く次の冒険者にバトンを渡した彼に後で会わないと、と彼女達は確信した。

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衆目が集まる中の挨拶は気疲れするもので、サッサと終わらせ、朝会が終わるのを待って退散し、職員室で気を緩める。

「お疲れ様英司、皆さん。早速この後実技の授業があるので、準備出来ますか?」

兄さんの労りを受け取りながら、忙しなく動く事に。初日から熱心です。

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