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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act7 取り返した平穏
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、何処かで会おう」
 「じゃあね!」
 「あっ、は、はい!」

 事態の把握すること叶わないまま、ユイとも別れの挨拶をしてからキリトは帰還して行きました。


 −Interlude−


 キリトは現実に帰還(ログアウト)後、感謝してもしきれない義妹の直葉にお礼の言葉を口にして、背中を押してもらって無事帰還しているであろうアスナに逢いに来ました。
 ですが今は、底意地の悪さと逆恨みからの八つ当たりにより、和人を殺そうと待ち伏せしていた須郷との交錯によって、倒れている所を罵倒を浴びせられながら蹴られていました。

 「――――ゲームの中だけで息巻いてるクソガキがっ!そんなクズ同然が、僕の足に砂掛けて邪魔するなんて、以ての外なんだよッ!」
 「グッ」
 「ク、クハハハハ、もういいや。死んじゃえよ・・・・・・お前ぇええッッ!!」
 「っ!」

 狂気に満ちた須郷が、地面に膝待づいている和人目掛けて、ナイフを振り降ろそうとした時にそれは起きました。

 「ギリギリだったな」

 そんな声と共に和人に向けて振り下ろす筈だったナイフは、いつの間にかに須郷の後ろにいた士郎によって手早く回収されました。
 加えて両手首を一瞬で掴み取られて背後に回される形で即座に拘束される須郷。
 それらを一秒に満たない刹那の間に行われたので、拘束された須郷は何から文句を付けようか把握できないようですが、それでも狂気を維持したまま口を開きます。

 「なn」
 「黙れ」
 「ヒッッ!!!?」

 圧倒的強者から浴びせられる殺気に須郷は悲鳴を上げた直後に、ショックから意識を手放しました。
 それを何が起きたのか把握できていないもう1人である和人が、ゆっくりと起き上がります。

 「貴方はいっ!?」

 時間帯が時間帯なので暗くて見えなかったようですが、近づいてから自分を助けてくれた士郎の顔を見ると、グランドクエスト攻略で大いに助けてくれた《鬼神》ネームレスにほとんどそっくりな顔であることに気付いたのです。
 それについて和人が口を開く前に、士郎が先に言います。

 「色々聞きたいことがあるだろうが、今君がすべきことは何だ?何のために此処に来たんだ?」
 「・・・・・・・・・・・・」

 士郎に指摘された和人は、アスナがいる病室を見上げます。

 「この須郷()は俺が責任もって警察に引き渡すから、君は行っておいで。君の大切な人も目覚めて、君を待っている筈だ」

 何故そんな事までと、口の先まで出かかった和人ですが、今は自分の望みを優先させることにしたようです。
 ですがその前に――――。

 「ありがとうございます」
 「ああ、いずれまた」

 何の根拠もないけれど、遠からぬ内にこの人と
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