204部分:第十七話 孔明、推理をするのことその十三
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第十七話 孔明、推理をするのことその十三
「既に」
「ならばいいな」
「それで」
「はい、それで」
その影は満足している声で答えた。
「このままいけば」
「それでは今は」
「どうされますか」
「このまま進めていきます。それと」
ここでその影が別の影に問うた。
「あの三姉妹は」
「バイスとマチュアがついていたな」
「そうだったよな」
「はい、二人から話を聞いています」
その影が同志達に述べた。
「順調に名前を知られるようになっているとのことです」
「そうか、それではな」
「それはいいことだな」
「はい。順調ですから」
「そして。烏丸じゃが」
別の影の言葉だ。
「間も無く兵を挙げる」
「ほう、そうか」
「そちらもですか」
「よいことにな。蔡文姫は袁紹めに保護されてしまったが」
「あれは迂闊でしたね」
宮中の話をしていた影が述べてきた。
「彼女を折角北にやったというのに」
「しかし袁紹は匈奴を取り込み」
「そのうえで」
彼女を保護されたというのであった。
「しかし。あの程度はどうにかなる」
「宮中の切れ者も宮廷にいなければ」
「どうということもありません」
「それでは」
ここまで話してであった。
「まずは紫鏡の屍をもう一度使い」
「宮中深く入り込み」
「そして烏丸をじゃな」
そんな話をしているのであった。
「おおよそ筋書き通り」
「進んでいます」
「ではこのままこの国に」
「神々が蘇る」
「そしてです」
影の一つの言葉に陰惨なものが宿った。
「この国は血に覆われます」
「そう、それを欲してもだ」
「この世界に来たんだからな」
邪悪な笑みもそこにはあった。
「何かと邪魔な奴等もいるが」
「わざわざ誰かが呼んでくれたみたいだがな」
「それでもです」
彼等はそれぞれ言う。
「この国の者達の血で」
「乾杯するとしましょう」
闇の中で何かが動いていた。それは明らかに一つになっていた。誰も知ることのできない深い闇の底でだ。彼等は邪悪な夢を語り合っていた。
第十七話 完
2010・5・27
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