0047話『羽黒の淡い決意』
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官さんの顔を見たら足柄姉さんの言葉を思い出してしまって頬が赤くなってしまったみたい!
「はぐっ…司令官さんは気にしないでください…私の落ち度なだけですので…」
「そうか…?」
「はぐぅ…」
変な唸り声を出して気を紛らわせるしかなかった。
それから司令官さんと町を視察に行くとさっそく町の人達が司令官さんに気づいたのだろう近づいてきた。
「提督の嬢ちゃん! 今回の作戦では大活躍だったらしいじゃないか!」
「そうよ! 自ら出撃したっていう話じゃない? 怖かったでしょうに…」
「提督って戦えるものなんだなぁ…」
「いや、この提督さんだけが特別なんだろう…?」
司令官さんはどうやらもう町の人気者になってしまっているようです。
私は後ろに控えながらも司令官さんを見守っていました。
司令官さんはいろんな方から話しかけられながらも決して笑顔を絶やさないでいました。
それで私も見習わないといけないなぁ…という思いに駆られました。
そして一通り話が済んだんだろう。
今度は私の方へと町の人達は視線を向けてきた。
はぐっ!? な、なんでしょうか…?
「今日はまた大人しそうな子だな。提督の嬢ちゃん」
「はい。羽黒、挨拶を…」
「あ、はい。妙高型重巡洋艦の四番艦の羽黒です。よろしくお願いしましゅ…あう」
緊張をしてしまって言葉を最後に噛んでしまいました。
は、恥ずかしい…。
「羽黒は少し上がり症なんですよ。ですから手加減してやってください」
司令官さんがそう言ってフォローしてくれました。
やっぱり司令官さんは優しいです。
それから主に女性の方たちに話しかけられて「苦労してない…?」とか「なにかあったら言ってね? 力になるから」と言った感じの話をしてもらいました。
それで感謝の気持ちになりながらも、
「はい。お手数かけてすみません。私は大丈夫です!」
「そうかい。頑張りなさいね」
「応援しているよ」
「はい!」
そんな話をしながらも司令官さんと町の視察をしていきました。
町の様子は明るいもので暗い顔をした人はそんなにいない印象を受けました。
そしてお昼になって、
「羽黒、お腹すいていないか? 喫茶店にでも寄っていこうか。奢るぞ」
「い、いえ…そんなわざわざ司令官さんにそこまでしてもらわなくても私もお金は持っていますので…」
「まぁまぁ。ここは私を立ててくれ。普段頑張ってくれている君達に少しでも労いたいからな」
「うう…すみません」
それで結局司令官さんに押し切られて昼食を御馳走になりました。
トーストサンドを頼んでかぶりついているとどこか微笑ましい表情で司令官さんがハンカチを出して、
「羽黒、口が汚れているぞ?」
「はぐ
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