0047話『羽黒の淡い決意』
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
本日は司令官さんが町を視察に行くというので私、羽黒が同行することになりました。
それで準備している時に足柄姉さんに話しかけられました。
「ねえ羽黒…?」
「はい? なんですか足柄姉さん?」
「今日は提督と一緒に町に視察に行くそうじゃない?」
「はい。だから少し楽しみなんです!」
私がそう言うと足柄姉さんはどこか面白そうに「ははーん?」という言葉を発した後に、
「そういえば…羽黒ってば提督の事、好きだったかしら?」
「ッ!? い、いえそんな…! それに私なんかじゃ司令官さんとは釣り合いません!
それに司令官さんには榛名さんという心に決めた人がいるんですからまだ絆も結んでいない私が言っても…」
自分で言って落ち込んでしまいました。
それは足柄姉さんも思っているのだろう。
「そうよね…私達姉妹で唯一絆を結んでいるのは妙高姉さんだけで那智姉さんも含めて私達はまだ練度は80代だからね」
それでもイベントでは活躍しているけどね!って足柄姉さんは前向きに言っていました。
だけど足柄姉さんや那智姉さん、妙高姉さんに比べて私は最近の出撃はめっきりない。
私以外にもあまり出撃していない子はたくさんいるけど、だけど司令官さんはたまに私達の事を考えてくれているのだろう。
本格的に出撃する時にはローテーションを組んでくれるから向き合ってくれているとは思っている。
それでも、司令官さんには少しでいい、私にだけ意識を向けてくれることを祈っていたりするのは悪い事なのかな…?
私だって艦娘だけどそれ以前に女の子だ。夢を見たいことはある。
「でも、足柄姉さん。今はこの気持ちはまだ閉じ込めておこうと思っているんです。
司令官さんが率先して練度上げをしてくれるならその時には頑張ろうと思っていますし…」
「はぁ、相変わらず甘いわね、羽黒は…そんなこと言っていたらいつまで経ってもチャンスなんて掴めないわよ?」
そう足柄姉さんに言われて、でも率先して司令官さんに詰め寄るわけにもいきませんし…。
やっぱり押しが弱いのが私の短所だから。
「とにかく、今日の視察で思い切って提督と楽しんできなさいな。
ただでさえ提督と一緒にいられる時なんて滅多にないんだから…しっかりと限られたチャンスを手にするのよ」
「う、うん…わかりました」
「うん。それならよし」
そう言って足柄姉さんに送り出されたけど、そんな勇気なんて私には…。
そんな悶々とした考えが頭に靄をかけている中で、司令官さんと合流する。
「あ、羽黒。来たか」
「は、はい…ッ! 今日は同行させてもらいますのでよろしくお願いします! 司令官さん!」
「ああ、よろしく。…ん? どうした羽黒? 顔が赤くなっているぞ?」
いけない…!
司令
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ