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その日はいつかやって来る

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!!」

 あの人もルシオラと一緒に翼を広げて飛んで行く。 白でもない、黒でもない、煩悩と美しい心が同居した灰色の翼を広げて。

「はははっ! 相変わらず困った小僧じゃのう」
「ええ、カオスどの」
「バ〜カ、私が一番綺麗になるって知ってるくせに、あんな「力だけ」みたいな女に手を出すから」
「ふんっ、もうヒーリングしてあげないからっ」
「私も〜、ショウトラちゃん貸してあげない〜〜」
「これも青春よねっ」
「やっぱりあれって、私の勘違いだったんだ… お隣さんだったからって、優しくしてもらったけど、私なんかの手の届かない、雲の上の人だったんだ…」
「小鳩っ、泣いたらあかんっ、泣いたらあかんのやっ!」
「あの、実は私も最近、料理をしてると気分が悪くなったり、酸っぱい物が欲しくなるんですけど」
「「「「「えっ…?」」」」」

「アシュ君には〜、アタシがいるから、いいわよねっ?(チュッ)」
「いいかげん子離れして下さい、母上……」

 ベスパに抱き付かれ、青い顔をもっと青くしているアシュタロス。 こいつに掛けた新しい呪いとはこの事か?

「これでピートはアタシだけのモノってワケ」
「それは関係無いと思いますよっ、エミさんっ」
「神よ、哀れな子羊を赦したまえ…」
「なあ、タイガーよ、俺ら忘れられてないか?」
「そうですノー、「運命の恋人」でなくてもいいですケン、デートか合コンしてみたいですノー」
「「じゃあ、私達でどう?」」

 グレートマザーと隊長に、優しく肩を叩かれている二人。

「「か、勘弁して下さい」」

 こうしてまた、私の時間も動き始めた。 時に記憶は人を苦しめ、生は苦痛をもたらす。 忘却は穏やかな眠りを与え、死は新たな誕生と喜びの始まり。

 私も怒りと苦渋にまみれた記憶を捨てて、新しい人生を生きて行こう。 暖かい家庭で笑顔に包まれながら育って行こう。 軟弱と呼ばれてもいい、堕落したと蔑まれてもいい。 例え永遠ではなくても、この素晴らしい一瞬を大切にしよう。 あの永遠の一秒を……


「むか〜し、むかし、ある所に何の力も無い男がいました。 何年か経って「お友達」に力を分けてもらっても、その男は誰の願いも叶えられず、一つの魂も集められませんでした。 それから何百年経っても何もできなかった男は、月に隠れて友達に似せた人形を作り始めました」
「だぁ」
「ワルQちゃんは、このお話が好きねえ。 でも私が昔、タマモママに聞いた時は、もっと怖い話だったのに、今はこうなってるのね」
「教育上、良くないんだろうな」

「ねえアシュ君、アタシもまた赤ちゃん欲しいな。 今度は女の子もいいかも」
「母上、私の膝の上に座るのはやめて下さい。 それにどうして息子に相談するんです? 私は再婚相手を紹介され
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