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その日はいつかやって来る
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で、声が続く限り、なり振り構わず泣き叫んだ。 それからも命の火が消えて行くまで、あの人の体を抱き締めて、その後は自分も後を追おうとした。

 だがそれらの全ては、魔族として許されない無様な行為だった。 私は女王としての尊厳を全て失い、ただの白い羽を持った堕落した女になった……

 貴賓席では、神無と朧、それにシルクまでが煙を噴いて壊れていた。 やはりあいつらも、マリアと同じように、主人が死ねば自分の意志で壊れる事ができたのだ。

 なぜ私にもそうできるよう改造してくれなかった? 鋼鉄の肉体に鋼の心、この後に続く地獄を見るには、それが無ければ耐えられなかったと言うのに…………


「逆天号… アクティブ」
『了解』

 それから何日か経つと、統率者がいなくなった国中で内戦が起こっていた。 状況を知ろうとした私は、魔王から継承した力、この国を守って来た武勲艦を呼び出した。

「今… どうなっている?」
『女王派では、王子と弟達が王位を巡って争っています。 衛星国の領地を継承した月神族派、シルク派は、兵を貸し本国への影響力を強めようとしています。 ルシオラ派はジーク殿の勧めにより僻地に逃走。 タマモ一族は内外からこの内戦を煽って火を付け、破滅を見届けた後に姿を消し消息不明です』

 私が正常なら、私が生きている限りこの国は安泰だったはずだ。 あの人が帰って来るまで、ここを守らなければならない。

「そうか、それと私にも魔体は動かせるのか?」
『はい、但し霊力の消耗が激しいと思われますので、マスターのように常時合体するのは不可能です。 さらに動力源としてエネルギー結晶を必要とします』
「ではどの程度、生贄にしてやればいい?」
『当面、魔族にして4千体分の結晶があれば、全力で活動できます』
「そうか、丁度王宮の外に騒がしい奴等がいるな、あれを黙らせよう、あの人の眠りの妨げになる」
『了解、条約を破棄して戦闘用ドロイドを起動、全兵士に対し撤収命令。 王子を発見した場合は確保します』
「構わん、あの人に逆らう奴は容赦するな、見せしめに生贄にしてやれ」
『…了解、即刻吸引を開始します、女王の霊体を魔体へ転送。 城塞全土に警告!! 究極の魔体を始動します!!』

 その瞬間、私の長男と反りの合わなかった子供とその兵士は、魔体と断末魔砲のエネルギーに変わった……

 嫌だ、もうこんな苦しい夢は見たくない。 絶対に拒否する、舌を噛んで呼吸を止めてでも眠りの呪いから抜け出してやるっ!

 そこで子供のような泣き声が聞こえ、周りが騒がしくなった。

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