第十二話
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「分かりました。」
と、加賀さんは納得がいったようだ。いや、俺はもっと根本的なとこが納得いってないんだけど。
……どうせ理由聞いても言ってくれないんだろうしな、と俺は諦めた。
「それでは、遠征部隊はこのあと執務室に、解散。」
そう言うと、提督と大淀さんは部屋から出て行った。
さて、俺らはというと、まず遠征部隊の連中は早速執務室へと出て行った。
「いやー、初陣だな。良かったじゃねぇか。」
そう言ってきたのは木曾だった。いやいやいやいや……。
「良かったけどさ……。なんだろ、まだなんというか自信ねぇっつーか、まだ早くね?っつーか……。」
俺の何ともハッキリしないセリフを聞いた木曾は、「そりゃそうだ。」と笑い飛ばした。
「つーか、そっちだって旗艦だぜ?緊張とかしねぇの?」
俺は少し反撃の意味も込めて、木曾にそう聞いてみた。
「今更だぜ。旗艦なんてもう何回もしたからな。慣れちまった。」
「……………。」
流石、という所か、全く動じてなかった。
「でもまぁ、俺が旗艦なんだ。誰も沈めねぇよ。」
「………………。」
なにこの娘。イケメンすぎやしませんかね?女だったら惚れてそうだ。
「よっ、初陣おめでとさん。」
そう話し掛けてきたのは摩耶さんだった。見ると、今回一緒に出撃する奴らも集まっていた。
「いや、神通や摩耶さんの訓練のお陰ですよ(殺されかけたけど)。」
「ま、お礼は今日の出撃でしてくれや。しっかし……。」
そう言うと、摩耶さんは頭を掻きながら、
「提督も鬼だよな。まさか今の最前線に新人を出撃させるとはな。」
いやちょっとまてコラ。
「え、さいぜんせん?」
驚きの余り思わず幼稚な発言になってしまった。
「はい。なんというか、突破できそうでできない、みたいなむず痒い感じで……。」
「要するにカンフル剤ってことだね。」
先が神通、後が時雨だ。なんというか、提督の『行き詰まってるからなんか変化を出してみるか。』みたいな魂胆が見えた。
「そうは言っても、提督さんは二号さんのこと信頼してるっぽい!大丈夫っぽい!」
夕立はそう言うと時雨に背後から飛び付いた。なんだこのハーレム物の漫画のワンシーンみたいな感じは。
「ま、それでも油断はすんなってことで。」
木曾はそうまとめた。
「おーい、次はお前らの番だぞー。」
と、声のした方を見ると、天龍がいた。どうやら遠征の行き先は聞いたらしい。
「あいよ。ういじゃま、行きますかね。」
そう言うと、木曾は立ち上がった。
―執務室―
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